2013年に住宅ローン変動金利0.725%なら今はいくら?借り換えなかった場合の金利を基準金利から考える

住宅ローン

2013年に変動金利0.725%で住宅ローンを組み、2020年に20年固定へ借り換えた場合、「もし借り換えずにそのまま変動金利を続けていたら、2026年現在は何%くらいになっていたのか」と気になるところです。

この金利は、2013年の0.725%をそのまま現在まで固定して計算することはできません。変動金利は、金融機関が定める基準金利から契約時の優遇幅を差し引いて決まる仕組みが一般的で、基準金利の改定によって借入中の適用金利も変わるためです。実際に三菱UFJ銀行は住宅ローンの変動金利の基準金利が短期プライムレートをもとに決まると説明しています。三菱UFJ銀行公式FAQ[参照]

したがって、過去の契約条件が分かればかなり具体的に推測できますが、銀行名や契約時の基準金利、優遇幅が分からない状態では「今なら必ず○%」とは断定できません。ここでは、2013年から2026年までの金利環境をたどりながら、借り換えなかった場合の考え方を整理します。

2013年の0.725%という変動金利はかなり低い水準だった

2013年は、日本銀行が4月に量的・質的金融緩和を導入した時期です。その後も長期間にわたって低金利環境が続き、住宅ローンの変動金利も低い水準で推移しました。日本銀行「2013年以降の量的・質的金融緩和」[参照]

当時の住宅ローンでは、店頭表示される基準金利そのものはもっと高くても、契約者ごとに大きな金利優遇を受けることで、実際の適用金利が0.7%台になる商品がありました。そのため、0.725%という数字だけを見て「現在の変動金利も0.725%に少し上乗せされる」と考えるのは正確ではありません。

重要なのは、0.725%という実際の適用金利が、当時の基準金利から何%引き下げられていたのかです。この優遇幅が契約期間中ずっと維持される契約であれば、基準金利の上昇分がそのまま適用金利の上昇につながる可能性があります。

変動金利は「基準金利-優遇幅」で考えると分かりやすい

住宅ローンの変動金利を考えるときは、次のようなイメージにすると分かりやすくなります。

適用金利=基準金利-契約上の金利引下幅

例えば2013年に基準金利が2.475%で、そこから1.75%の優遇を受けていたなら、適用金利は0.725%です。この場合、後年になって基準金利が0.25ポイント上昇すれば、同じ優遇幅が維持されている限り適用金利も0.25ポイント上がる、という考え方になります。

ただし、これはあくまで仕組みを理解するための例です。実際の住宅ローンでは、銀行ごとに基準金利、優遇幅、金利見直し日、優遇条件などが異なります。契約内容によっては優遇幅の扱いも違うため、契約書や返済予定表を確認することが重要です。

2013年から2026年までに短期金利は大きく動いた

住宅ローンの変動金利を考えるうえで参考になるのが短期プライムレートです。日本銀行の主要行データでは、短期プライムレートの最頻値は2013年中に1.15%から1.35%、その後1.10%、1.00%、0.90%などへ低下し、2019年には0.95%となっていました。2020年にも1.10%から1.00%程度の水準でした。日本銀行「長・短期プライムレートの推移」[参照]

ところが、その後は上昇局面に入り、2022年以降は1.10%、1.20%、1.40%、1.50%、1.60%などと段階的に上昇しています。つまり、2013年から2020年までは低金利が続いた一方、2022年以降はそれまでとは違う金利環境になりました。

2026年8月時点の日本銀行の主要行データでは、短期プライムレートの最頻値は2.375%となっています。もっとも、住宅ローンの基準金利は各金融機関のルールで決まり、短期プライムレートと必ず同じ数字になるわけではありません。

2026年の住宅ローン変動金利は1%前後から1%台半ばが中心

現在の新規住宅ローンを見ると、2026年9月の主要銀行の変動金利はかなり上昇しています。例えば、みずほ銀行は1.025%、りそな銀行は0.950%、三菱UFJ銀行は1.195%、三井住友銀行は1.525%という水準です。これらは新規借入時の条件付き適用金利であり、すべての既存契約者にそのまま当てはまる数字ではありません。2026年9月の住宅ローン金利一覧[参照]

三菱UFJ銀行の2026年9月の新規借入では、変動金利が年1.195%、店頭表示金利が3.375%となっています。この差を見ると、現在の住宅ローンでも基準となる金利と実際に支払う適用金利には大きな差があることが分かります。三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」[参照]

したがって、2013年に0.725%だった住宅ローンを現在まで継続していた場合も、単純に現在の新規借入金利を当てはめるのではなく、当時の契約に設定された優遇幅を現在の基準金利に当てはめて考える必要があります。

「借り換えなかった場合」を簡易計算する方法

例えば、2013年の契約時に基準金利が2.475%で、適用金利が0.725%だったと仮定します。この場合の優遇幅は1.750%です。

項目 例
2013年の基準金利 2.475%
2013年の適用金利 0.725%
差し引き優遇幅 1.750%
現在の基準金利が仮に3.125%の場合 3.125%-1.750%=1.375%

このように計算すると、「借り換えなかった場合は現在1%台前半だったかもしれない」というイメージを作れます。ただし、これは2013年の基準金利と優遇幅を仮定した計算であり、質問にある実際の契約条件を確認しなければ正確な数字にはなりません。

また、契約後に優遇幅が変更される契約や、一定期間だけ大きな優遇を受けるタイプもあります。さらに銀行によって基準金利の決め方も異なります。したがって、0.725%という数字だけから現在の金利を逆算することはできません。

2020年に20年固定へ借り換えた判断はどう考えられるか

2020年に20年固定金利へ借り換えたのであれば、当時の低金利環境の中で将来の金利上昇リスクを抑えるという意味では、合理性を検討できる選択でした。実際、日本銀行は2020年にも短期金利についてマイナス0.1%程度、長期金利について10年物国債金利0%程度を目標とする金融政策を続けていました。日本銀行・2020年10月の金融政策[参照]

もちろん、現在から振り返って「変動のままのほうが得だった」「固定へ借り換えたほうが得だった」と単純には判断できません。借り換えには抵当権設定・抹消などの諸費用、事務手数料、保証料などが発生する場合があり、固定金利そのものも変動金利より高いことが一般的だからです。

比較するなら、単純な金利だけではなく、2020年の借り換え費用、当時から現在までに実際に支払った利息、残債、現在の固定金利、借り換えなかった場合の推定返済額をまとめて比較する必要があります。

「今の変動金利」と「昔から借り続けた場合の金利」は別物

住宅ローンの金利比較で特に注意したいのが、新規借入向けの広告金利と既存契約者の金利を混同しないことです。例えば2026年9月に新規借入で年1.195%という商品があっても、2013年から同じ銀行で借り続けている人の金利が1.195%になるとは限りません。

既存契約者は契約時に決められた優遇幅や金利タイプに基づいて金利が決まるためです。auじぶん銀行も、変動金利について「基準金利-引下幅」で借入金利を決め、引下幅は契約月などによって顧客ごとに異なると説明しています。auじぶん銀行「ご契約中のお客さま」[参照]

この違いを理解すると、「今の住宅ローン金利が1%台だから、自分も同じだったはず」と考えるのが危険な理由が分かります。逆に、契約時の基準金利と優遇幅が分かれば、かなり現実的なシミュレーションが可能になります。

正確に知りたいなら2013年の契約書と返済予定表を確認する

実際に「借り換えなかったら2026年はいくらだったのか」を計算するなら、次の資料を探すのがおすすめです。

  • 2013年の住宅ローン契約書
  • 金銭消費貸借契約書
  • 住宅ローンの商品概要説明書
  • 当時の返済予定表
  • 金利変更のお知らせ
  • 当時の適用金利と基準金利が分かる資料

特に「基準金利から○%引き下げ」「全期間○%優遇」などの記載があれば重要な手掛かりになります。0.725%という適用金利だけでは、基準金利と優遇幅の組み合わせを一意に決められないためです。

銀行名が分かる場合は、その銀行の過去の基準金利改定履歴を確認し、2013年の契約条件に当てはめていくとより精度を上げられます。例えばauじぶん銀行では過去の基準金利改定履歴を公開しており、2020年から2024年にかけて基準金利が据え置かれていた期間と、その後の上昇を確認できます。基準金利の改定履歴[参照]

まとめ:2013年の0.725%から現在の金利を一律には決められない

2013年に変動金利0.725%で住宅ローンを組んでいた場合、2020年に借り換えず2026年まで継続したときの金利は、契約していた金融機関と優遇条件によって変わります。そのため「今なら必ず○%」と一つの数字で答えることはできません。

ただし、考え方としては2013年の基準金利と契約時の優遇幅を確認し、その優遇幅を現在の基準金利に当てはめることで、借り換えなかった場合の適用金利をかなり具体的に推定できます。現在の新規住宅ローンでは変動金利が1%前後から1%台半ばの銀行もあり、2013年当時とは金利環境が明らかに変化しています。

2020年に20年固定へ借り換えたことが得だったかどうかを振り返る場合も、金利だけでなく借り換え費用や残債、実際の返済額まで含めて比較するのが適切です。「2013年の0.725%」だけでなく「2013年の基準金利-優遇幅」を調べることが、過去の住宅ローンを現在の金利に置き換える最も重要なポイントです。

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