狭い土地や間口の限られた土地で家づくりを検討すると、「足場を設置するために隣地との間を空ける必要があるため、建物が細長くなってしまうのでは」と不安になることがあります。実際には、住宅の配置や工法、施工方法によって必要なスペースは変わり、隣家と近い距離で建てられている住宅にもさまざまな工夫があります。
住宅建築で隣地との間を空ける理由とは
家を建てる際に隣の土地との間にスペースを設ける大きな理由の一つが、外壁工事やメンテナンス時に必要となる作業スペースです。特に新築時には足場を組む必要があり、安全に作業するための幅を確保します。
一般的には建物の外周に足場を設置するため、住宅会社によっては隣地境界から一定の距離を推奨する場合があります。ただし、この距離は法律で全国一律に90cm必要と決められているわけではありません。
例えば都市部の狭小住宅では、隣地との距離を最小限に抑えた設計や、特殊な足場計画によって建築しているケースもあります。
隣家とギリギリに建っている住宅はどうやって建てているのか
街中で隣の建物と数十cm程度しか離れていない住宅を見ることがありますが、これは建築方法や施工計画によるものです。
代表的な方法としては、建築時だけ必要なスペースを確保し、完成後は狭い隙間になるよう設計する方法があります。また、片側だけに十分な通路を確保し、反対側を限界まで寄せる配置にする住宅もあります。
具体例として、間口が7.8mの土地の場合、左右均等に90cmずつ空けると建物幅は約6mになります。しかし、片側に通路をまとめたり、建物形状を工夫したりすることで、必要な居住スペースを確保できる可能性があります。
隣地境界から90cm空ける必要があるのは法律なのか
「隣地から90cm離さなければならない」という話を聞くことがありますが、これはすべての住宅に適用される全国共通のルールではありません。
地域によっては民法上の規定や自治体の条例、建築協定、地区計画などによって一定の距離が求められる場合があります。また、ハウスメーカーや工務店が施工のしやすさや将来的なメンテナンス性を考えて独自基準を設けていることもあります。
そのため、土地を購入する前には、その地域の規制や希望する住宅会社の建築条件を確認することが重要です。
狭い間口の土地で家を建てる場合の設計の工夫
間口が限られた土地では、建物を横に広げることが難しいため、縦方向を活用した設計が多く採用されます。
例えば、2階建てや3階建てにして床面積を確保する、吹き抜けや大きな窓で圧迫感を減らす、収納を壁面に集約するなどの工夫があります。
また、リビングを2階に配置することで日当たりを確保したり、廊下を減らして居室を広くしたりする設計も、狭小地住宅ではよく使われる方法です。
土地購入前に確認しておきたいポイント
気に入った土地を見つけた場合でも、購入前に「どのくらいの大きさの家が建てられるか」を確認することが大切です。
土地の広さだけでなく、建ぺい率や容積率、道路との接し方、隣地との距離、日当たりなどによって建築できる住宅の形は大きく変わります。
例えば同じ7.8mの間口でも、奥行きが長い土地であれば縦長住宅として十分な床面積を確保できる場合があります。一方で、道路側の条件によっては希望する間取りが難しくなることもあります。
まとめ:間口が狭い土地でも工夫次第で理想の家は建てられる
間口7.8m程度の土地でも、必ず建物幅が大きく制限されて細長い家になるとは限りません。足場や施工スペースの考え方、地域のルール、住宅会社の設計力によって建てられる家の形は変わります。
隣家と近い住宅が存在するのは、単純に距離を無視して建てているのではなく、施工方法や設計上の工夫によって実現しています。
土地を検討するときは、購入前にハウスメーカーや設計士へ相談し、その土地でどのような家が建つのか具体的なプランを確認することが、後悔しない家づくりにつながります。


コメント