基礎梁貫通のダイヤレン計算書はどう依頼する?入力シートの書き方と1スパンに複数開口がある場合の注意点

新築一戸建て

鉄筋コンクリート造の基礎梁に設備配管やスリーブなどの貫通孔を設ける際、開口補強金物「ダイヤレン」「ダイヤレンNS」などを使用するために、補強計算書が必要になることがあります。特に迷いやすいのが、メーカーへ何を送れば計算してもらえるのか、入力シートの各項目へ何を記入するのか、そして同じ1スパンの基礎梁に複数の貫通孔がある場合をどう扱うのかという点です。

ダイヤレンを製造するコーリョー建販では、図面を送付して計算を依頼する方法と、同社が公開しているダイヤレン計算シートへ必要事項を入力してメールで依頼する方法を公式に案内しています。計算は同社の計算センターで処理され、計算書が返送される仕組みです。[参照:コーリョー建販「補強計算のご依頼」]

ただし、「1スパンに複数の開口があるなら、同じ数値を一つの入力欄へまとめて書けばよい」という考え方は避けたほうが安全です。使用するダイヤレンの種類・工法、開口径、開口位置、開口同士の間隔、梁端からの距離などによって適用条件が変わるため、複数開口は位置関係が分かる資料を添えてメーカーへ確認するのが確実です。

  1. ダイヤレン計算書はコーリョー建販へ依頼できる
  2. まず「どのダイヤレン・工法を使うのか」を確認する
  3. 通常のダイヤレン計算依頼なら図面を送る方法が分かりやすい
  4. 入力シートには何を記入するのか
  5. 入力前に構造図から拾っておきたい情報
  6. 1スパンに数箇所ダイヤレンが入る場合はどう記入する?
  7. 「同一スパンに複数ある」ことを必ず伝える理由
  8. Z-Mダイヤレン工法の場合は「1ヶ所の材端部につき1個まで」という条件がある
  9. 通常のダイヤレンNSにも開口位置の条件がある
  10. 複数開口は簡単な梁姿図を付けると伝わりやすい
  11. 具体例:FG1の1スパンに3個の開口がある場合
  12. 開口位置は「柱芯から」か「梁端から」かを混同しない
  13. 開口径は配管の呼び径ではなく指定された「外径」を確認する
  14. 長期せん断力はQ0ではなくQLを入力する資料もある
  15. 主筋は単純に「開口側の配筋」を写すとは限らない
  16. 複数開口が近接している場合は自己判断で離して計算しない
  17. 大きな基礎梁開口には別工法が適用される場合もある
  18. 計算依頼時にはどの図面を添付すればよい?
  19. 計算依頼のメールには何を書けばよい?
  20. 構造設計者の確認を飛ばさないことが重要
  21. 計算書が届いたら入力した寸法と照合する
  22. 現場施工では計算書だけでなく標準仕様書も確認する
  23. 依頼前のチェックリスト
  24. まとめ:1スパンに複数のダイヤレンがある場合は位置関係を明示してメーカーへ確認する

ダイヤレン計算書はコーリョー建販へ依頼できる

コーリョー建販の公式サイトには「ダイヤレン・ダイヤレンNS 補強計算のご依頼」という専用ページがあります。図面データを持っている場合は図面を送り、同社計算センターで計算処理をしてもらう方法が案内されています。[参照:コーリョー建販「ダイヤレン・ダイヤレンNS 補強計算のご依頼」]

もう一つは、公式サイトから「ダイヤレン計算シート」のExcelファイルをダウンロードし、計算に必要なデータを入力してメールへ添付する方法です。メーカー側で計算処理された後、計算書が送付されます。

つまり、計算ソフトを自分で操作して最終的な補強計算書を作成することが前提ではありません。2026年8月時点の公式案内でも、各種計算プログラムの配布は準備中とされており、計算が必要な場合は指定された方法で依頼するよう案内されています。

まず「どのダイヤレン・工法を使うのか」を確認する

一口に「ダイヤレン」といっても、現在のコーリョー建販には通常のダイヤレン、ダイヤレンNS、住宅基礎用ダイヤレン、Z-Mダイヤレン工法、ダイヤレン近接2H-X工法、ダイヤレンPC工法、EXダイヤレン工法などがあります。[参照:コーリョー建販「ダウンロード」]

これらは名称が似ていますが、適用対象や開口位置などの条件が同じではありません。したがって「基礎梁だからダイヤレンの計算シートへ入力すればよい」と一律に判断するのではなく、構造設計図と貫通孔位置を確認し、どの製品・工法で検討する案件なのかを整理することが重要です。

特に梁端部の開口、大きな開口、近接した複数開口などは、一般的な単独開口とは条件が異なる可能性があります。判断できない場合は、計算依頼前に図面をメーカーへ送り、どの工法で検討すべきか確認するほうが確実です。

通常のダイヤレン計算依頼なら図面を送る方法が分かりやすい

入力シートの扱いに迷っている場合、無理にすべてを自己判断してExcelへ入力する必要はありません。コーリョー建販は公式に「図面データをお持ちの方」向けの計算依頼方法を用意しており、図面を計算センターへ送る方法を案内しています。

特に1スパンに複数の貫通孔がある案件では、表形式の入力データだけより、梁符号、柱位置、梁断面、各開口の径、各開口中心位置、開口同士の距離が分かる図面を添付したほうが誤解を防ぎやすくなります。

例えば「FG1にφ150の開口が3個」とだけ伝えても、それぞれが3m離れているのか、数百mm間隔で並んでいるのかでは構造上の条件がまったく異なります。平面図や梁伏図、断面・配筋情報など、位置関係を読み取れる資料を付けることが重要です。

入力シートには何を記入するのか

使用する工法によって入力様式は異なりますが、公開されているZ-Mダイヤレン工法の入力説明を見ると、計算に必要な情報の考え方を具体的に確認できます。公式資料では、梁の基本情報として計算名、梁幅、梁せい、梁内法スパン長、コンクリート設計基準強度、スラブの有無などを入力する構成です。[参照:コーリョー建販「Z-Mダイヤレン工法記入シートの入力説明」]

さらに上端・下端主筋の本数、径、強度、主筋位置、梁側面のかぶり、スラブ筋、一般部せん断補強筋などの情報を入力します。

開口については、開口径だけではありません。公開されているZ-Mダイヤレン工法入力説明では、開口外径H、梁端から開口中心までの距離L1、梁天端から開口中心までの距離L2などを入力する形式になっています。

入力前に構造図から拾っておきたい情報

計算依頼をスムーズに進めるには、入力を始める前に構造図と設備図を突き合わせ、必要な情報を整理しておくと便利です。

  • 建物名・工事名
  • 階・通り芯
  • 梁符号
  • 梁幅
  • 梁せい
  • 内法スパン
  • コンクリート設計基準強度Fc
  • 上端主筋・下端主筋
  • 主筋の段数と位置
  • あばら筋の径・本数・ピッチ・鋼種
  • スラブの有無と配筋
  • 長期せん断力など計算に必要な応力
  • 貫通孔の外径
  • 梁端から各開口中心までの距離
  • 梁天端または梁底から開口中心までの位置
  • 同一梁にある他の開口の位置・径

設備施工図だけでは主筋やせん断補強筋が分からず、構造図だけでは最新のスリーブ位置が分からないことがあります。そのため、両方を確認してから依頼データを作るのが基本です。

1スパンに数箇所ダイヤレンが入る場合はどう記入する?

ここが特に重要です。複数開口の数値を一つの「開口径」「開口位置」セルへカンマ区切りなどで勝手にまとめて記入することはおすすめできません。入力シートが1開口を前提とした形式なら、基本的には各開口を識別できる形で計算依頼し、同一スパンに複数あることを図面・備考などで明確に伝えます。

例えば同一の基礎梁FG1にA、B、Cという3個の開口があるなら、「FG1-A」「FG1-B」「FG1-C」のように識別し、それぞれの開口径と位置を明示したうえで、3個が同じスパンに存在することが分かる梁図を添付する方法が実務上分かりやすいでしょう。

ただし、「1スパンに3個あるから入力シートを3行にすれば必ず正しい」という意味ではありません。開口同士が近接している場合や梁端部にある場合は、使用する工法の適用条件そのものが変わる可能性があるためです。最終的な入力方法と計算方法はコーリョー建販の計算担当者へ確認してください。

「同一スパンに複数ある」ことを必ず伝える理由

梁貫通孔は、それぞれの開口だけを完全に独立して考えられるとは限りません。隣接する開口との距離が小さければ、補強領域や適用条件が関係してきます。

例えば、同じ梁にφ150の開口が3個あっても、1個目と2個目が2m離れている場合と、開口同士が近接している場合では扱いが異なる可能性があります。メーカーには単に「φ150」と伝えるのではなく、梁全体のどこへ何個配置するのかが分かる情報を渡す必要があります。

コーリョー建販には「ダイヤレン近接2H-X工法」など近接開口を対象とした工法も用意されています。複数開口が近い場合は、通常のダイヤレンだけで自己判断せず、適用工法をメーカーへ確認することが重要です。[参照:コーリョー建販「製品・工法資料」]

Z-Mダイヤレン工法の場合は「1ヶ所の材端部につき1個まで」という条件がある

基礎梁端部の開口を対象とするZ-Mダイヤレン工法については、メーカーが公開している入力説明に具体的な適用条件があります。開口数については「1ヶ所の材端部につき1個まで」と記載されています。[参照:Z-Mダイヤレン工法記入シートの入力説明]

さらに同資料では、開口の直径は300mm以下かつ梁せいの1/4以下、開口のへりあきは200mm以上かつ梁せいの1/4以上、梁端部から開口中心までの距離は梁せいの1/3以上かつ梁せい未満、などの条件が示されています。

つまり「1スパンに数箇所開口がある」という情報だけでは、Z-Mダイヤレン工法で全部を処理できるか判断できません。左右の材端部に1個ずつなのか、片側端部に複数集中しているのか、中央部にもあるのかによって確認すべき内容が変わります。

通常のダイヤレンNSにも開口位置の条件がある

ダイヤレンNSについても、メーカー公式資料では開口位置などに適用条件が設定されています。例えば一般的な梁端部の開口については、梁のヒンジ部を避けるため、開口中心位置を柱際から梁せい以上離すことが基本とされています。[参照:コーリョー建販「ダイヤレンNS」]

一方、非降伏の基礎梁端部に小開口を設ける場合には別途「ダイヤレンNSを用いた基礎梁端部小開口の設計指針」が用意されています。このように、同じダイヤレンNSでも開口位置によって参照する設計条件が変わることがあります。

したがって入力担当者が「前の現場でもこの入力方法だったから」と流用するのではなく、今回の梁がどの適用条件に該当するのかを構造設計者と確認する必要があります。

複数開口は簡単な梁姿図を付けると伝わりやすい

複数の開口がある場合、入力シートだけで位置関係を説明しようとすると分かりにくくなります。そこで、基礎梁を横から見た簡単な姿図を添付すると情報が伝わりやすくなります。

例えば「左柱面から開口A中心まで○○mm、A中心からB中心まで○○mm、B中心からC中心まで○○mm、C中心から右柱面まで○○mm」と寸法を入れ、A=φ150、B=φ200、C=φ100というように開口径を記載します。

さらに梁幅・梁せい・梁符号・梁天端から開口中心までの寸法を記載しておけば、どの開口について計算しているのかを双方で確認しやすくなります。

具体例:FG1の1スパンに3個の開口がある場合

例えば基礎梁FG1の1スパンに、φ150、φ200、φ150の3個の貫通孔を計画しているとします。この場合、入力データ上でも各開口を区別できるようにします。

識別名 梁符号 開口径 梁端からの位置 備考
FG1-A FG1 φ150 左端から○○mm 同一スパン
FG1-B FG1 φ200 左端から○○mm 同一スパン
FG1-C FG1 φ150 左端から○○mm 同一スパン

これはメーカー公式入力シートの指定様式そのものを示したものではなく、複数開口をメーカーへ誤解なく伝えるための情報整理例です。実際のExcelシートへの入力単位については、最新版の入力シートを使用し、判断できない部分を計算担当者へ確認してください。

開口位置は「柱芯から」か「梁端から」かを混同しない

入力時によく注意したいのが寸法の基準点です。例えば公開されているZ-Mダイヤレン工法の入力説明では、「梁端-開口中心距離L1」は梁端部から開口中心までの距離として定義されています。[参照:Z-Mダイヤレン工法入力説明]

構造図では柱芯を基準に寸法が記載されていることもあります。その数値をそのまま「梁端-開口中心距離」へ入力すると、柱寸法の半分などの差が生じる可能性があります。

入力欄にL1、L2などの記号がある場合は、必ず入力説明に掲載された図を見て「どこからどこまでの寸法なのか」を確認してから入力してください。

開口径は配管の呼び径ではなく指定された「外径」を確認する

Z-Mダイヤレン工法の入力説明では、開口径Hについて「設ける開口の外径寸法(mm)」とされています。したがって設備図に書かれた配管の呼び径を、そのまま開口径として入力するとは限りません。

実際のスリーブ外径、貫通孔径など、計算で求められている寸法を確認する必要があります。設備配管の呼び径とスリーブ外径は別の数値になることがあるため注意が必要です。

例えば設備図に「100A」と書いてあるからといって、無条件にH=100mmと入力するのではなく、実際に設置するスリーブ仕様を確認します。

長期せん断力はQ0ではなくQLを入力する資料もある

公開されているZ-Mダイヤレン工法の入力説明では、「梁の長期せん断力QL」を入力するよう明記されており、Q0ではなくQLを入力すると注意書きがあります。値は構造計算書などを参照するよう案内されています。[参照:コーリョー建販「Z-Mダイヤレン工法記入シートの入力説明」]

同資料では空欄の場合、参考値で自動計算するものの、最終的には正しい値で再計算する必要があるとも記載されています。

したがって施工担当者だけでは判断できない応力値については推測で記入せず、構造設計者へ確認することが重要です。

主筋は単純に「開口側の配筋」を写すとは限らない

Z-Mダイヤレン工法の入力説明には、主筋本数についても具体的な注意があります。同資料では、上端・下端主筋として入力するものは単純に開口のある端部の配筋ではなく、両端部を確認し、「たすき掛け」をして主筋本数が多くなる組み合わせを採用する方法が示されています。

このようなルールは入力シートだけを見ても理解しにくいため、メーカーが公開している「入力説明」を必ずセットで確認することが大切です。

入力値が分からないからといって構造図の数字を適当に転記すると、補強計算の前提そのものが変わってしまいます。

複数開口が近接している場合は自己判断で離して計算しない

1スパンに複数の開口がある場合、開口A、B、Cをそれぞれ独立した単独開口として計算すればよいとは限りません。開口間隔が小さい場合には近接開口としての検討が必要になる可能性があります。

コーリョー建販では近接開口を扱う「ダイヤレン近接2H-X工法」について、カタログや建築技術性能証明書、標準仕様書などを公開しています。[参照:コーリョー建販「ダイヤレン近接2H-X工法」]

つまり「入力シートに1個分しか欄がないから、開口ごとに別々の梁として計算しておけばよい」と判断するのは危険です。メーカーへ同一スパン全体の開口配置を提示し、どの工法を適用するか確認してください。

大きな基礎梁開口には別工法が適用される場合もある

基礎梁に人通孔など大きな開口を設ける場合は、通常の開口補強とは別の工法が対象になることがあります。コーリョー建販では「EXダイヤレン工法」があり、従来の制限を超える大開口へ対応するための工法として案内されています。[参照:コーリョー建販「EXダイヤレン工法」]

EXダイヤレン工法はダイヤレンNSと孔際補強筋、水平補強筋、開口上下補強筋などを組み合わせることで、所定の条件下で梁せいの1/2.5倍までの大開口を設けられる工法です。

このようにダイヤレンには複数の設計体系があるため、開口径が大きい、梁端に近い、開口が近接しているといった特殊条件ほど、メーカーへ事前確認することが重要になります。

計算依頼時にはどの図面を添付すればよい?

メーカーの公式ページでは「お持ちの図面をお送りください」と案内されています。実務では、計算に必要な梁情報と開口位置を読み取れる資料をそろえておくとやり取りがスムーズです。

具体的には、基礎伏図、基礎梁リスト・梁断面、配筋情報、スリーブ・貫通孔位置が記載された図面などが候補になります。必要資料は案件や工法によって異なるため、最終的には計算担当者の指示に従います。

特に設備施工図側でスリーブ位置が変更されている場合、構造図だけを送ると最新の開口位置が伝わりません。「計算してほしい開口」が明確に分かるようマーキングした図面を用意すると間違いを減らせます。

計算依頼のメールには何を書けばよい?

計算シートを添付する場合でも、メール本文に最低限の情報を書いておくと担当者が内容を把握しやすくなります。

例えば「○○新築工事の基礎梁貫通孔について、ダイヤレン補強計算をお願いします。FG1の同一スパン内に開口A・B・Cの3箇所があります。入力シートと開口位置図、基礎伏図、梁リストを添付します。近接開口として別工法の検討が必要な場合はご指示ください」といった形で、複数開口があることを最初から明記します。

さらに担当者名、会社名、連絡先、希望する返送方法、希望納期がある場合はその日付などを記載しておくと、確認の往復を減らしやすくなります。

構造設計者の確認を飛ばさないことが重要

ダイヤレンの補強計算書が成立したからといって、設備担当者や施工担当者の判断だけで基礎梁へ自由に貫通孔を追加できるわけではありません。

基礎梁は建物の構造上重要な部材です。開口位置の変更や追加は、構造設計上許容されるかを構造設計者へ確認する必要があります。特に柱際、梁端、開口集中部、大径開口では慎重な確認が必要です。

メーカーのダイヤレンNSの基礎梁端部小開口に関する説明でも、対象部材が規定条件に適合するかについて「構造設計者様が必ずご判断下さい」と明記されています。[参照:コーリョー建販「ダイヤレンNSを用いた基礎梁端部小開口の設計指針」]

計算書が届いたら入力した寸法と照合する

計算書を受け取ったら、そのまま現場へ回すのではなく、依頼した梁符号、梁断面、開口径、開口位置、コンクリート強度、主筋、せん断補強筋などが実際の設計図と一致しているか確認します。

複数開口がある場合は特に、「Aの計算書をBの開口へ使用していないか」「変更前のスリーブ径で計算されていないか」「梁符号が似た別部材と混同していないか」などを確認します。

設備施工図の変更でスリーブ径や位置が変わった場合は、以前の計算書がそのまま有効とは限りません。変更内容を構造設計者とメーカーへ提示し、再計算が必要か確認してください。

現場施工では計算書だけでなく標準仕様書も確認する

補強計算書は必要な補強内容を確認する重要な資料ですが、実際の施工方法については対象製品・工法の標準仕様書や技術マニュアルも確認する必要があります。

通常のダイヤレンについてコーリョー建販は、スリーブの芯出し、孔際あばら筋の位置、ダイヤレンの挿入・結束、スリーブの固定などの施工方法を公開しています。また開孔補強区間のあばら筋についても条件があります。[参照:コーリョー建販「ダイヤレン」]

計算結果だけを見てダイヤレンの枚数を合わせればよいわけではなく、配筋やかぶり、スリーブ位置を含め、採用工法の仕様に従って施工することが重要です。

依頼前のチェックリスト

  • 使用する製品・工法がダイヤレン、ダイヤレンNS、Z-M、近接2H-X、EXなどのどれに該当するか確認したか
  • 最新のメーカー入力シート・入力説明を使用しているか
  • 梁符号、梁幅、梁せい、スパンを確認したか
  • Fc、主筋、あばら筋などの情報を構造図から確認したか
  • 開口径を呼び径と取り違えていないか
  • 開口中心位置の寸法基準を確認したか
  • 1スパンにある全開口をメーカーへ提示しているか
  • 複数開口の中心間距離・位置関係が分かる図面を添付したか
  • 梁端部・近接開口・大開口など特殊条件がないか確認したか
  • 構造設計者へ開口位置を確認しているか

このチェックをしてから依頼すれば、メーカーから不足資料の問い合わせが来る可能性を減らし、計算を進めやすくなります。

まとめ:1スパンに複数のダイヤレンがある場合は位置関係を明示してメーカーへ確認する

基礎梁貫通のダイヤレン補強計算は、コーリョー建販の計算センターへ依頼できます。公式サイトでは、図面を送付して計算してもらう方法と、ダイヤレン計算シートのExcelファイルへ必要データを入力してメール送信する方法が案内されています。[参照:コーリョー建販「補強計算のご依頼」]

1スパンに数箇所のダイヤレンが入る場合に重要なのは、複数の開口を一つの入力欄へ無理にまとめることではなく、各開口を識別し、開口径・開口中心位置・開口間隔と、同一スパンに存在することが分かる資料をメーカーへ渡すことです。

例えばFG1に3箇所あればFG1-A、FG1-B、FG1-Cなどと整理し、梁全体の姿図へ3箇所をすべて記載すると分かりやすくなります。ただし「3箇所だから入力シートを3枚作ればよい」と一律には判断できません。近接していれば近接開口用工法、梁端部ならZ-Mダイヤレン工法や基礎梁端部小開口の設計指針、大開口なら別の工法が関係する可能性があります。

特に公開されているZ-Mダイヤレン工法の入力説明では、開口数を「1ヶ所の材端部につき1個まで」とするなど具体的な適用条件が定められています。[参照:Z-Mダイヤレン工法記入シートの入力説明]

そのため、複数開口で入力方法が判断できない案件では、入力シートだけを自己判断で完成させるより、基礎伏図・梁リスト・開口位置図を用意してコーリョー建販の本社または最寄りの営業所・計算担当へ確認するのが最も確実です。メーカー公式サイトでも、製品・工法に関する問い合わせやダイヤレン計算の依頼について、本社または各営業所へ問い合わせるよう案内されています。[参照:コーリョー建販「ダウンロード・お問い合わせ案内」]

そして最終的な開口位置や採用工法については、メーカー計算だけで完結させず構造設計者の確認を受けることが重要です。基礎梁は構造上重要な部材であるため、「入力シートを埋めること」より「正しい梁条件と全開口の位置関係を伝え、適用可能な工法で検討すること」を優先すると、手戻りや施工時のトラブルを防ぎやすくなります。

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