TOTOサザナとタカラスタンダード・グランスパを高齢者目線で比較|床・暖かさ・掃除・安全性の選び方

全般

高齢の家族が使う浴室をリフォームするときは、デザインや価格だけでなく、転倒しにくさ、床の冷たさ、浴槽への出入り、手すりの配置、掃除の負担まで含めて比較することが大切です。代表的な選択肢として挙げられるのがTOTOの「サザナ」とタカラスタンダードの「グランスパ」です。

どちらも優れたシステムバスですが、得意分野には違いがあります。特に高齢者向けでは、単純に「どちらが上か」ではなく、利用者の身体状況と将来の変化まで考えて選ぶ必要があります。なお、グランスパの「キープクリーン浴槽」はアクリル人造大理石であり、タカラスタンダードだから浴槽自体が必ずホーローというわけではありません。[参照]

高齢者向けなら最初に比較したいのは床の安全性

TOTOサザナの大きな特徴が「お掃除ラクラクほっカラリ床」です。床内部にクッション層があり、畳のようなやわらかな踏み心地を目指した構造になっています。また、断熱材の役割を持つ層によって床から伝わる冷たさを軽減し、表面には乾きやすく、足裏にフィットして滑りにくいパターンが採用されています。[参照]

高齢者の場合、浴室では「滑らないこと」が何より重要ですが、万一バランスを崩した場合を考えると床の硬さも無視できません。TOTOは、ほっカラリ床についてクッション層による衝撃吸収性も案内しています。そのため、足腰や転倒時の負担をできるだけ抑えることを優先するなら、サザナは有力候補になります。

一方、グランスパでは「キープクリーンフロア」などを選択できます。キープクリーンフロアは磁器タイル系の床で、質感や清掃性を重視した選択肢です。柔らかな床を最優先するサザナとは方向性が異なるため、ショールームでは靴を脱いで実際の硬さや滑りにくさを確認すると判断しやすくなります。

暖かさを重視するなら床だけで判断しない

冬の浴室は、高齢者にとって使い勝手だけでなく安全面からも重要です。暖房されたリビングや脱衣所から寒い浴室へ移動すると、急激な温度変化が身体への負担になります。そのため「浴槽のお湯が冷めにくいか」だけではなく、浴室そのものを寒くしにくい仕様や浴室暖房の有無まで確認しましょう。

サザナのほっカラリ床はW断熱構造によって床から伝わる冷気を抑える設計です。足を置いた瞬間のヒヤッとした感覚が苦手な人には分かりやすいメリットがあります。また、タイプによっては「魔法びん浴槽」など保温を意識した仕様を選択できます。[参照]

ただし、高齢者の寒さ対策を考えるなら、床材だけで製品を決めるのはおすすめできません。浴室暖房、断熱仕様、窓の断熱、脱衣所の暖房をセットで検討したほうが効果的です。特に古い戸建ての浴室をリフォームする場合は、窓から冷気が入りやすいケースもあるため、浴室と同時に窓の断熱改修が可能か施工店へ確認するとよいでしょう。

掃除のしやすさではグランスパにも大きな魅力がある

タカラスタンダードの強みとして知られているのが「ホーロークリーン浴室パネル」です。壁面にはマグネットを利用できるため、収納用品を固定して床やカウンターに物を置かない構成を作りやすくなります。グランスパ公式ページでも、マグネット収納による便利さと清潔性が特徴として紹介されています。[参照]

例えばシャンプーボトルを床へ直接置かず、マグネット式ラックにまとめておけば、床掃除の際に物を一つずつ移動させる手間を減らせます。高齢になって腰を曲げる作業が負担になってきた場合にも、このような「物を床に置かない収納」は意外に大きなメリットです。

キープクリーン浴槽はアクリル人造大理石で、表面がなめらかで汚れが染み込みにくく、掃除しやすいことをタカラスタンダードが特徴として挙げています。[参照]

サザナの柔らかい床はカビや汚れが付きやすいのか

「柔らかい床は掃除が大変なのでは」と心配されることがありますが、サザナのほっカラリ床は清掃性も考慮されています。床表面には汚れを落としやすくする処理が施され、水が排水方向へ流れやすいパターンになっています。TOTOは翌朝には乾きやすい構造であることも案内しています。

ただし、掃除をしなくてもカビやピンク汚れが発生しないという意味ではありません。TOTO自身も定期的なお手入れが必要であることを案内しており、ほっカラリ床については週1回を目安に中性洗剤と柔らかいブラシで洗う方法を紹介しています。[参照]

入浴後にシャワーで皮脂や石けん成分を流し、換気して乾燥させる習慣を作れば、汚れの蓄積を抑えやすくなります。「サザナだからカビる」「タカラなら掃除不要」という比較ではなく、どちらを選んでも日常的な換気と清掃は必要と考えておくのが現実的です。

70代以降を考えるなら手すりと浴槽の出入りも重要

高齢者向け浴室では床の素材ばかり注目されがちですが、実際には浴槽をまたぐ動作と立ち座りも重要です。今は問題なく入浴できる70歳前後の人でも、10年後には手すりなしで浴槽から立ち上がるのが難しくなる可能性があります。

そのためリフォーム時には、入口、洗い場、浴槽横など、必要な位置へ手すりを設置できるか確認しておきましょう。TOTOサザナには出入口段差を5mm以下とするユニバーサルデザインや、タイプによって浴槽への移乗を考えたベンチタイプなども用意されています。[参照]

グランスパでも浴槽形状や浴槽グリップなどを選択できます。例えばキープクリーン浴槽にはベンチ付きのラウンド浴槽などがあり、浴槽のフランジを持ちやすくして出入りをしやすくする設計が紹介されています。[参照]

サザナとグランスパを高齢者目線で比較

比較ポイント TOTO サザナ タカラスタンダード グランスパ
床 ほっカラリ床を選べる。柔らかさと断熱性が特徴 キープクリーンフロアなどを選択可能。清掃性や質感が特徴
転倒への配慮 クッション性のある床が大きな特徴 手すりや浴槽形状などを含めたプランニングが重要
冬の足元 ほっカラリ床の断熱構造が強み 床だけでなく浴室暖房や断熱仕様を含めて検討
壁の掃除 清掃性を考えた浴室パネル ホーロークリーン浴室パネルが特徴
収納 各種収納を選択可能 マグネット収納を活用しやすい
おすすめしやすい人 柔らかい床、足元の冷え、身体への負担軽減を重視する人 壁・床・浴槽の清掃性やマグネット収納を重視する人

高齢者という条件だけで選ぶなら、柔らかな床と足元の冷えにくさを特に重視する家庭ではサザナが比較しやすいでしょう。一方で、日々の清掃負担を減らしたい、マグネット収納を活用して物を床に置かない浴室にしたい場合はグランスパが魅力的です。

ただし、最終的な安全性は商品名よりもプランの作り方に左右されます。同じサザナやグランスパでも、浴槽形状、手すり、入口、暖房、収納の位置によって使いやすさは大きく変わります。

ショールームでは両親本人に確認してもらうのがおすすめ

浴室はカタログだけでは判断しにくい設備です。特に床の硬さや足裏の感覚、浴槽をまたぐ高さ、手すりを握ったときの姿勢は、数字だけでは分かりません。

できれば実際に使用する両親と一緒にTOTOとタカラスタンダード双方のショールームを訪れ、靴を脱いで床に立つ、浴槽に入る動作を試す、浴槽から立ち上がる姿勢を確認するといった比較をすると失敗を減らせます。将来的に介助が必要になった場合を想定し、入口幅や洗い場の広さについても担当者へ相談しておくと安心です。

また、「今なら手すりはいらない」と感じても、リフォームした浴室を10年、15年と使用する可能性があります。70歳時点だけではなく80代になったときにも使いやすいか、という視点で仕様を決めることが重要です。

まとめ|安全性なら床だけでなく浴室全体で比較しよう

TOTOサザナとタカラスタンダード・グランスパは、それぞれ異なる強みがあります。サザナは「お掃除ラクラクほっカラリ床」の柔らかさ、断熱性、滑りにくさが特徴で、高齢者の足元への配慮を優先する場合には特に検討しやすいシステムバスです。

グランスパはキープクリーンフロアやキープクリーン浴槽、ホーロークリーン浴室パネル、マグネット収納など、耐久性や日々の清掃・整理のしやすさを重視したい家庭に魅力があります。なお、グランスパの代表的なキープクリーン浴槽はホーローではなくアクリル人造大理石なので、素材を比較するときには注意しましょう。

高齢者向けのお風呂選びでは「床が柔らかいか」「掃除が楽か」の二択にせず、転倒防止、寒さ対策、浴槽への出入り、手すり、将来の介助まで含めて判断することがポイントです。両製品をショールームで実際に体験し、本人が立ちやすい・またぎやすい・掃除を続けやすいと感じる仕様を選ぶことが、長く安心して使える浴室につながります。

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