不動産売却を依頼する際、売主と不動産会社の間では媒介契約を結ぶことが一般的です。しかし、契約をしていないにもかかわらず「専任媒介」として物件情報が掲載されているケースでは、どのような問題があるのか疑問に感じる方もいます。
この記事では、媒介契約の種類や専任媒介表示のルール、契約なしで掲載された場合に考えられる問題、行政への相談や処分の可能性について詳しく解説します。
不動産売却における媒介契約とは何か
媒介契約とは、売主が不動産会社に売却活動を依頼する際に結ぶ契約です。不動産会社が売買の仲介を行うための正式な関係を明確にする役割があります。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。それぞれ他社への依頼可否や売主への報告義務などに違いがあります。
特に専任媒介契約は、売主が複数の不動産会社へ同時に依頼できない契約であるため、不動産会社側にも一定の義務や責任が発生します。
専任媒介として掲載するには正式な契約が必要
不動産会社が物件を「専任媒介」と表示して広告する場合、その前提として売主との間で専任媒介契約が成立している必要があります。
媒介契約書には、契約期間や依頼する業務内容、報酬など重要な事項が記載されます。そのため、契約書を交わしていない状態で専任媒介として扱うことは、適切な不動産取引の手続きとはいえません。
例えば、売主が「売却相談をしただけ」「査定を依頼しただけ」という段階で、不動産会社が勝手に専任媒介として広告掲載する場合は、表示内容に問題が生じる可能性があります。
媒介契約なしで専任媒介表示をした場合に考えられる問題
媒介契約を締結していないのに専任媒介として広告を出す行為は、消費者に誤解を与える表示になる可能性があります。
不動産広告では、物件の取引態様や媒介状況について正確な表示が求められています。実際には契約関係がないにもかかわらず、専任媒介であるように見せることは、広告表示上の問題となる場合があります。
また、売主にとっても「他社では販売できない状態」と誤認してしまう可能性があり、売却機会を制限されるなどの不利益につながるおそれがあります。
違反した場合の罰則や行政処分の可能性
不動産会社は宅地建物取引業法などのルールに従って営業する必要があります。問題となる行為の内容や悪質性によっては、行政から指導や処分を受ける可能性があります。
処分内容としては、状況に応じて指示処分、業務停止処分、免許に関する処分などが検討される場合があります。ただし、実際の対応は事実関係や違反内容によって異なります。
単なる表示ミスなのか、意図的に専任媒介を装ったのかによっても判断は変わります。そのため、まずは掲載内容や不動産会社とのやり取りを記録しておくことが重要です。
問題が発生した場合の相談先と確認方法
不動産会社の広告表示や媒介契約について疑問がある場合は、まず不動産会社へ掲載理由を確認する方法があります。
納得できる説明がない場合や、契約していない内容で広告掲載されている場合は、所在地を管轄する都道府県の宅建業担当窓口や国土交通省の相談窓口へ相談できます。
相談する際には、物件広告の画面保存、掲載日時、担当者とのメールやメッセージ履歴などを準備しておくと、状況を説明しやすくなります。
不動産会社と契約するときに注意したいポイント
不動産売却を依頼する際は、口頭だけで話を進めず、必ず媒介契約書の内容を確認してから正式に依頼することが大切です。
特に専任媒介契約や専属専任媒介契約では、売主側にも制限が発生するため、契約内容を理解しないまま進めるとトラブルになる可能性があります。
信頼できる不動産会社を選ぶためには、説明が丁寧か、契約内容を明確に提示するか、広告表示が適切かなどを確認することが重要です。
まとめ
媒介契約を締結していない状態で、不動産会社が物件を専任媒介として掲載することは、適切な不動産取引の手続きとはいえません。
状況によっては広告表示の問題や宅地建物取引業法上の問題となり、行政による指導や処分の対象になる可能性があります。
もし同様の状況が発生した場合は、感情的に対応するのではなく、広告内容や契約状況を確認し、必要に応じて専門機関へ相談することが大切です。


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