三価クロメート処理されたスチールを溶接する方法|使用する溶接棒と注意点を解説

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三価クロメート処理されたスチール同士を溶接する場合、使用する溶接棒の選択だけでなく、表面処理の影響や安全面にも注意が必要です。見た目は普通の鉄部品に見えても、表面に施されたクロメート処理によって溶接時の状態が変わることがあります。

一般的には母材であるスチールの材質に合わせた鉄系の溶接材料を使用しますが、三価クロメート処理部分をそのまま溶接すると不具合や有害なヒューム発生につながる可能性があります。この記事では、三価クロメート処理されたスチールを溶接するときの考え方や注意点を解説します。

三価クロメート処理されたスチールとは何か

三価クロメートとは、亜鉛メッキなどの表面に施される防錆処理の一種です。鉄製部品はそのままだと錆びやすいため、亜鉛メッキによって防錆性を高め、その上にクロメート処理を施して耐食性や外観を向上させています。

三価クロメート処理された部品は、ボルト、金具、架台、小型機械部品など幅広い用途で使用されています。見た目は銀色や白色の金属ですが、内部の素材は鉄であることが多いため、溶接では母材の種類を確認することが重要です。

例えば、三価クロメート処理された鉄板同士を接合する場合、表面処理部分ではなく、その下にある鉄同士を溶接するという考え方になります。

スチール同士なら溶接棒は鉄系でよいのか

一般的な軟鋼(普通の鉄)同士を溶接する場合は、軟鋼用の溶接棒を使用します。代表的なものとしては、軟鋼用被覆アーク溶接棒や軟鋼用ワイヤなどがあります。

つまり、三価クロメート処理されていても、母材が一般的なスチールであれば基本的には鉄系の溶接材料を選択します。ただし、表面のメッキや処理層を考慮する必要があります。

例えば、軟鋼製のフレーム同士を溶接する場合は軟鋼用の溶接棒を使用しますが、ステンレスや特殊鋼の場合は適した溶接材料が異なります。そのため、まずは部品の材質確認が必要です。

三価クロメート部分をそのまま溶接してはいけない理由

三価クロメート処理された部品を溶接する場合、表面処理層を残したままアークを当てることは避けるのが一般的です。メッキやクロメート層は溶接の邪魔になり、溶接欠陥の原因になる場合があります。

表面処理が残っていると、溶接時に溶け込み不足が起きたり、気泡が入りやすくなったりする可能性があります。また、処理層が熱で分解されることで煙やヒュームが発生します。

例えば、亜鉛メッキされた鉄板をそのまま溶接すると、亜鉛が高温で蒸発して白い煙が出ることがあります。この煙を大量に吸い込むと、体調不良を起こすリスクがあります。

溶接前に行うべき下処理

三価クロメート処理されたスチールを溶接する場合は、溶接する部分の表面処理を除去することが基本です。グラインダーやヤスリなどで、溶接箇所周辺のメッキや表面処理を取り除き、母材の鉄を露出させます。

例えば、板厚3mm程度の鉄部品を溶接する場合、接合部分だけでなく、その周囲数センチ程度の範囲まで表面処理を除去しておくと、安定した溶接がしやすくなります。

下処理後は油分や汚れも取り除きます。油や異物が残っていると、溶接部に欠陥が発生しやすくなるため、脱脂や清掃も重要な工程です。

溶接方法による注意点

三価クロメート処理されたスチールでは、使用する溶接方法によって注意点が変わります。被覆アーク溶接、半自動溶接、TIG溶接など、どの方法でも基本は表面処理を除去してから行います。

半自動溶接の場合は、軟鋼用ワイヤを使用することが多く、作業性や仕上がりを考えてワイヤ径や電流値を調整します。被覆アーク溶接の場合も、軟鋼用の溶接棒を選びます。

家庭用溶接機で小型部品を補修する場合でも、表面処理された部品をそのまま溶接せず、必ず換気を行い、防護具を使用することが大切です。

三価クロメート処理部品の溶接で起こりやすい失敗例

よくある失敗として、表面処理を削らずに溶接してしまい、見た目は付いているものの強度が不足しているケースがあります。外観だけでは判断できない内部欠陥が発生していることもあります。

また、メッキやクロメート処理による煙を十分な換気なしで吸い込んでしまうことも注意が必要です。屋内作業では特に換気設備や防塵・防毒対策を考える必要があります。

例えば、短時間の補修作業だから問題ないと思っても、発生するヒューム量や作業環境によっては健康への影響が出る可能性があります。

溶接後の防錆処理も忘れない

三価クロメート処理された部品は防錆目的で表面処理されていますが、溶接部分はその処理がなくなっています。そのため、溶接後は防錆処理を行う必要があります。

溶接ビード周辺を清掃した後、防錆塗料や補修用の亜鉛塗料などを使用することで、錆の発生を抑えられます。

例えば屋外で使用する金具やフレームの場合、溶接した部分から錆が広がることがあるため、完成後の防錆処理まで含めて作業と考えることが大切です。

まとめ:三価クロメートのスチールは鉄系溶接材料を使用するが下処理が重要

三価クロメート処理されたスチール同士を溶接する場合、母材が一般的な鉄であれば基本的には軟鋼用の鉄系溶接棒やワイヤを使用します。

ただし、三価クロメートや亜鉛メッキなどの表面処理を残したまま溶接するのはおすすめできません。溶接部分の表面処理を除去し、鉄の地肌を出してから作業することが重要です。

また、溶接時にはヒュームが発生する可能性があるため、十分な換気、防護具の使用、安全な作業環境の確保を行ってください。適切な下処理と材料選びを行えば、三価クロメート処理されたスチールでも安定した溶接が可能です。

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