防火区画の壁を配管やケーブルなどが貫通する場合、火災時に延焼経路とならないよう適切な防火措置を行う必要があります。特に片側が1時間耐火壁、反対側が一般壁となるような構造では、どちら側で区画処理を行うべきか判断に迷うケースがあります。
この記事では、防火区画を貫通するネジ無し管などの処理方法や、フィブロックを使用する場合に確認すべきポイントについて解説します。実際の施工では認定条件や設計仕様の確認が必要ですが、基本的な考え方を理解することで適切な判断につながります。
防火区画貫通処理で重要なのは耐火認定の条件
防火区画の貫通部処理では、単純に隙間を埋めればよいというわけではありません。使用する材料には、それぞれ国土交通大臣認定などの耐火性能に関する仕様があり、その認定条件を満たした施工を行う必要があります。
フィブロックのような防火区画貫通処理材も、対象となる配管種類、材質、サイズ、壁の種類、施工方法などによって適用範囲が決まっています。
例えば、同じ樹脂管の貫通であっても、壁厚や配管径が違えば使用できる認定番号が変わる場合があります。そのため、施工前には必ずメーカーの認定資料を確認することが重要です。
片側1時間耐火壁・片側一般壁の場合の基本的な考え方
防火区画を構成する壁の一部を貫通する場合、火災時に区画として機能しなければならない側で防火処理を成立させる必要があります。
片側が一般壁であっても、貫通している部分が防火区画を横断している場合は、単純に一般壁側だから処理不要という判断にはなりません。
例えば、防火区画側から一般壁側へ配管が抜ける場合、火災によって配管周囲から炎や煙が反対側へ広がる可能性があります。そのため、防火区画を維持できる位置で適切な貫通処理を行う必要があります。
フィブロックを区画壁側ではなく反対側に施工する場合の注意点
質問のように、区画壁側はボックス接続のため反対側でフィブロック処理を行いたい場合は、その施工方法が認定条件に適合しているか確認する必要があります。
防火処理材は「どちら側に取り付けても同じ性能になる」とは限りません。認定仕様によっては、区画側から施工することを前提としている場合や、両側施工が必要な場合があります。
そのため、単純に施工しやすい側へ移動するのではなく、使用するフィブロックの認定書や施工要領書で、片側施工の可否や施工方向を確認することが大切です。
ボックス接続がある場合に確認したいポイント
配管をボックスへ接続する場合、貫通部だけでなくボックス周辺の納まりも確認する必要があります。
例えば、ボックスが防火区画内に設置される場合や、ボックス自体が壁の耐火性能に影響する位置にある場合は、通常の貫通処理とは異なる対応が必要になることがあります。
具体的には、以下のような項目を事前に確認すると施工トラブルを防げます。
- 使用する配管の種類と呼び径
- 防火区画壁の種類と厚さ
- フィブロックの認定番号と適用範囲
- ボックス接続部分が認定範囲内かどうか
- 施工方向や必要な処理位置
施工前にメーカーや設計者へ確認する理由
防火区画の処理は、完成後に見えなくなる部分ですが、建物の安全性に関わる重要な施工箇所です。
特に片側耐火・片側一般壁のような特殊な納まりでは、現場判断だけで施工すると、後から検査時に指摘される可能性があります。
不明な場合は、フィブロックのメーカーへ施工条件を伝えて確認する方法が確実です。配管種類、サイズ、壁仕様、施工位置を伝えることで、その条件に適した認定仕様を案内してもらえます。
まとめ
防火区画をネジ無し管などで貫通する場合、フィブロックによる処理は使用する製品の認定条件に沿って施工することが重要です。
片側が1時間耐火壁、反対側が一般壁の場合でも、防火区画を貫通している以上、区画性能を維持できる処理が必要になります。
区画壁側にボックス接続があるため反対側で処理したい場合でも、施工位置が認定範囲内であるかを確認してから行うことが安全です。防火処理は施工のしやすさよりも、認定された正しい方法で行うことを優先しましょう。


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