謄本に記載された『所有権敷地権』の意味とは？土地と建物の所有権移転に関する基本解説

不動産の取引や所有権移転に関わる登記簿謄本を確認すると、さまざまな専門用語が記載されています。特に、土地と建物の所有権が絡む場合、『所有権敷地権』という言葉が出てくることがあります。これが何を意味するのか、なぜ所有権移転時に登場したのかについて疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、所有権敷地権の意味とその背景、建物謄本が取得できない理由について詳しく解説します。

所有権敷地権とは？

所有権敷地権とは、土地の所有権と建物の所有権が一体となっている場合に使用される用語です。一般的に、マンションなど区分所有建物がある場合、住居者は専有部分（自分の住んでいる部屋）の所有権と共用部分（廊下やエレベーターなど）の敷地権を持ちます。

今回のケースでは、建物が単独で存在するようですが、土地と建物が密接に関連しているため、所有権敷地権という形で土地の権利が登記されています。敷地権という言葉が出てくる背景には、建物が複数の人や会社に分割して所有されている場合や、土地と建物が異なる所有者に属している場合が考えられます。

所有権移転時に所有権敷地権が登場する理由は、土地と建物の所有権が連動しているためです。特に、土地と建物が一体となっている場合、土地の所有権が移転する際に建物もそれに付随して移転されることが多いため、所有権敷地権という表記がされます。

これは、土地の権利が建物に対しても重要な影響を持つことを示しており、所有権が単独で存在するのではなく、敷地権として一体化しているケースでよく見られる表現です。

建物の謄本が取得できない、あるいは『該当なし』と表示される場合、いくつかの理由が考えられます。

1. 建物が登記されていない

まず、建物自体が登記されていない可能性があります。建物は登記されていないと、法的には存在しないものとして扱われ、謄本が発行されません。建物の登記が漏れている場合や、建築中でまだ登記されていない可能性があります。

2. 特定の区分所有権がない

次に、建物が一棟の商業ビルや事務所であり、区分所有されていない場合も考えられます。区分マンションや区分商業ビルの場合、各区分所有者に対して登記がなされますが、単一の所有者が建物全体を所有している場合、個別の建物謄本は存在しないことがあります。

謄本に記載された過去の所有者の担保設定欄には、土地と建物が担保として取られていることが示されています。これは、過去に所有者が土地や建物を担保にして融資を受けていたことを意味します。このような担保設定があると、現在の所有権移転にも影響を与えることがあります。

土地と建物が担保として一緒に扱われていることからも、所有権敷地権の形で一体的に権利が移転されたと考えられます。

謄本に記載される『所有権敷地権』という言葉は、土地と建物が一体化した権利を示しており、特に区分所有されていない建物や複数の所有者が関与する物件で見られることがあります。また、建物謄本が取得できない理由として、登記がない場合や区分所有されていない場合が考えられます。

登記や所有権の詳細については、専門家に相談しながら進めることで、安心して取引や所有権移転を進めることができるでしょう。