アルミに塗装された2液ウレタン塗装を剥離したい場合や、上に重ね塗りされたラッカー塗装のみを除去したい場合、適切な塗装剥がし剤や方法を選ぶことが重要です。本記事では、金属を傷めずに塗装を剥がす方法について解説します。
1. 2液ウレタン塗装とは?
2液ウレタン塗装は、硬化剤を混ぜることで化学反応を起こし、非常に耐久性の高い塗膜を形成します。そのため、一般的な塗料剥がし剤では除去が難しいことがあります。
- 耐久性が高い:紫外線や摩擦、溶剤に強い。
- 剥がしにくい:通常の水性剥離剤では効果が薄い。
- 金属やプラスチックに塗装されることが多い。
2. 2液ウレタン塗装を剥離する方法
① 強力な塗装剥がし剤を使用する
2液ウレタン塗装を剥がすには、市販の溶剤系塗料剥がし剤を使用するのが効果的です。以下の剥離剤がおすすめです。
- スケルトンリムーバー:ウレタン塗装にも効果があり、強力な剥離力を持つ。
- ホルツ ペイントリムーバー:自動車塗装の剥離にも使用可能。
- ワグナー 塗膜剥離剤:金属を傷めずに塗装を剥がす。
② サンドペーパーやブラスト処理を活用する
- 化学薬品を使いたくない場合は、サンドペーパー(#120〜#400)を使用し、手作業で塗装を削り取る方法もある。
- より効率的に剥がしたい場合は、サンドブラストやメディアブラストを使用するとスムーズに剥離できる。
3. ラッカー塗装のみを除去する方法
ラッカー塗装は2液ウレタン塗装よりも弱く、適切な方法を選べばウレタン塗装を傷めずに除去できます。
① ラッカーシンナーを使用する
- ラッカーシンナーはラッカー塗装を溶解しやすい。
- 布にシンナーを含ませ、優しく拭き取ることで、下地のウレタン塗装を残しながらラッカー塗装のみを除去できる。
- 注意:強く擦ると2液ウレタン塗装にも影響を与える可能性があるため、慎重に行う。
② アセトンやIPA(イソプロピルアルコール)を使用する
- アセトンやIPA(イソプロピルアルコール)はラッカー塗装を分解しやすいが、ウレタン塗装には影響を与えにくい。
- コットンにアセトンを含ませ、試しながら少しずつ拭き取る。
- 強力な溶剤を使用する際は、目立たない部分でテストするのがおすすめ。
4. 塗装剥がし後の仕上げ
① 金属の曇りを防ぐ方法
- 塗装剥がし後は中性洗剤でしっかり洗浄し、剥離剤や溶剤の残留を防ぐ。
- 表面を保護するため、金属用ポリッシュで仕上げると美しい光沢を保つことができる。
② 再塗装の準備
- 新しく塗装する場合は、脱脂(シリコンオフなど)をしっかり行う。
- 表面を均一にするため、#400〜#600のサンドペーパーで軽く研磨し、滑らかに仕上げる。
5. まとめ
2液ウレタン塗装やラッカー塗装の剥離は、方法を間違えると下地を傷つける可能性があります。適切な剥離剤や溶剤を選び、安全に作業を進めましょう。
- 2液ウレタン塗装を剥がす場合:強力な塗装剥がし剤(スケルトンリムーバーなど)を使用する。
- ラッカー塗装のみを除去する場合:ラッカーシンナーやアセトンを使い、優しく拭き取る。
- 金属の曇りを防ぐ:剥離後は中性洗剤で洗浄し、金属ポリッシュで仕上げる。
- 再塗装の準備:脱脂とサンディングで下地を整える。
適切な方法を選ぶことで、アルミの表面を傷めずに塗装を剥離し、美しく仕上げることができます。
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