家の中に物があふれ、収納が足りないと感じている方は少なくありません。特に長年暮らしていると、物が増えていき、気づけば収納スペースがパンパンになってしまうこともあります。最近の住宅設計では収納がコンパクトになりがちですが、本当に収納に特化した家を作るにはどのような工夫が必要なのでしょうか?
一般的な収納スペースの目安と比較
まず、多くの住宅で確保される収納スペースの一般的な目安を見てみましょう。
部屋の種類 | 収納の目安 |
---|---|
6畳の個室 | クローゼットまたは押入れ(約1〜1.5畳分) |
リビング・ダイニング | 収納棚またはパントリー(約1〜2畳分) |
キッチン | パントリー・食器棚(約1〜2畳分) |
玄関 | シューズクローゼットまたは土間収納(約1〜2畳分) |
全体の収納率 | 延べ床面積の10〜15% |
収納率が延べ床面積の10%程度だと「すっきりとした家」となることが多いですが、荷物が多い家庭では15〜20%程度の収納スペースを確保するのが理想的です。
収納に特化した家を作るための間取りの工夫
収納スペースを最大限に確保するためには、間取りに工夫が必要です。
1. ウォークインクローゼット(WIC)を活用
各部屋に収納を設けるよりも、大型のウォークインクローゼットを設置すると、効率的に収納できます。
- 寝室に3〜4畳のウォークインクローゼットを設置
- 家族全員分の衣類やバッグを一括収納
- 収納ボックスやハンガーラックを活用して整理
2. ファミリークローゼットの導入
家族全員が使えるファミリークローゼットを設けると、個別収納が不要になり、収納スペースを最適化できます。
- 玄関付近に3〜4畳のファミリークローゼットを設置
- 外出時や帰宅時に必要な物をまとめて収納
- 衣類の管理がしやすくなり、家事負担も軽減
3. 玄関の土間収納を広くする
靴やアウトドア用品が多い家庭では、玄関の土間収納を広く確保すると便利です。
- 通常のシューズクローゼットではなく、2〜3畳の土間収納を設置
- 靴だけでなく、ベビーカーや自転車、ゴルフバッグなどを収納
- 屋外用収納としても活用できる
4. パントリーを広く確保
キッチンには食品や調理器具の収納が必要ですが、パントリーを広く確保するとスッキリします。
- キッチン横に2〜3畳のパントリーを設置
- 収納棚を活用して調味料・食器・ストック品を整理
- スライド式の収納棚で空間を有効活用
5. 屋根裏収納・ロフトの活用
使用頻度が低いものは、屋根裏収納やロフトに収納するのも有効です。
- 屋根裏収納(4〜6畳)を設置し、季節用品を収納
- ロフトを設置して書類や思い出の品を収納
- 耐荷重を考慮し、安全な収納計画を立てる
6. 造作収納を活用
既製品の収納家具ではなく、作り付けの収納を増やすと収納効率が上がります。
- リビングの壁一面を収納棚にする
- 廊下や階段下のデッドスペースを活用
- オープン収納とクローズ収納を使い分ける
収納を増やすためのリフォーム・リノベーションのアイデア
現在の家の収納を増やすには、リフォームやリノベーションの工夫も考えられます。
1. 壁面収納の増設
壁面収納を増やすことで、収納スペースを確保できます。
- リビングや寝室に壁面収納を設置
- 奥行きを活かして収納力をアップ
2. 可動棚を設置
収納内部に可動棚を設置することで、収納の自由度を高めます。
- クローゼットや押入れ内に可動棚を追加
- 高さを調整しやすく、収納しやすい
3. 収納家具を造作で設置
オーダーメイドの収納家具を設置すると、限られたスペースを有効活用できます。
- リビングの空きスペースに収納棚を造作
- 造作ベンチ収納を設置し、座れる収納スペースを作る
まとめ
荷物が多い家庭では、一般的な収納スペースでは不足しがちです。収納に特化した家を作るためには、ウォークインクローゼット、ファミリークローゼット、土間収納、パントリー、屋根裏収納、造作収納などを活用し、収納スペースを計画的に確保することが重要です。
また、リフォームやリノベーションによる収納増設も効果的な方法です。収納スペースを適切に確保し、スッキリとした暮らしを実現しましょう。
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