借地を利用している場合、地主が支払っている固定資産税がどの程度なのか気になることがあります。特に、地代の交渉を行う際には、固定資産税の額を把握しておくことが役立ちます。
本記事では、固定資産税の基本的な計算方法や、地主が支払う税額を知るための方法、地代交渉のポイントについて解説します。
固定資産税の計算方法
固定資産税は、土地や建物の評価額に基づいて算出されます。土地の場合、以下の計算式が一般的です。
固定資産税額の計算式:
固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%
① 課税標準額の求め方
課税標準額は、一般的に路線価 × 土地面積 × 70%で計算されます。大阪市の場合、借地権割合は60%〜70%程度が多いですが、ここでは70%のケースで計算します。
② 大阪市のケースで試算
質問の情報を基に、以下の数値を用いて試算します。
- 土地面積:500㎡(実際はもう少し広いが、500㎡で計算)
- 路線価:175,000円/㎡(角地なら185,000円/㎡も考慮)
- 課税標準額:路線価の70%と仮定
この場合の計算は以下の通りです。
課税標準額 = 175,000 × 500 × 70% = 61,250,000円
これに固定資産税率(1.4%)を掛けると、
固定資産税 = 61,250,000 × 1.4% = 857,500円
角地の場合は路線価が185,000円とすると、
固定資産税 = 907,500円(概算)
地主が支払っている固定資産税を知る方法
正確な固定資産税額を知るためには、以下の方法を試してみると良いでしょう。
① 役所で固定資産税評価額を確認する
固定資産税評価額は、市町村の固定資産税課で確認できます。ただし、他人の資産情報は基本的に開示されないため、地主本人が確認する必要があります。
② 近隣の固定資産税額を調べる
近隣の類似した土地の固定資産税額を調べることで、大まかな金額を推測できます。
- 不動産業者に相談する
- 地価公示サイトで周辺の地価を調査
③ 地主との交渉で情報を得る
地代交渉の際に、固定資産税の負担額を地主に直接確認することも一つの手段です。交渉がスムーズに進めば、具体的な金額を教えてもらえる可能性があります。
地代交渉を有利に進めるためのポイント
固定資産税を知ることは、地代交渉を有利に進める上で重要です。以下の点を意識して交渉を行いましょう。
① 固定資産税の相場と地代の関係を理解する
一般的に、地代は固定資産税の3〜5倍が目安とされています。今回の試算では固定資産税が約85〜90万円であったため、地代の適正額は以下のように考えられます。
- 固定資産税の3倍: 約260万円/年(約22万円/月)
- 固定資産税の5倍: 約450万円/年(約37万円/月)
現在の地代と比較し、適正な範囲内かどうかをチェックしましょう。
② 長期契約のメリットを伝える
地代の交渉では、地主にとってのメリットも提示するとスムーズに進みます。
- 契約期間を長く設定し、安定収入を確保できることを強調する
- 毎年の地代を増額するのではなく、固定資産税の増減に応じた調整を提案
- 建物の維持管理を借主側で負担することで、地主のコストを削減
③ 交渉の際の資料を準備する
説得力のある交渉をするためには、事前に資料を揃えておくことが重要です。
- 固定資産税の試算結果
- 近隣の地代相場
- 契約条件の改善提案
これらの資料を用意することで、地主側にも納得してもらいやすくなります。
まとめ:固定資産税を把握し、交渉を有利に進める
借地の固定資産税を知ることは、地代交渉を進める上で重要な要素です。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 固定資産税は「路線価 × 土地面積 × 70% × 1.4%」で概算できる
- 地主が支払う税額を推測し、地代の適正価格を確認する
- 地代は固定資産税の3〜5倍が目安
- 交渉時には、契約条件の改善提案を用意すると有利
適切な準備を行い、地主との交渉をスムーズに進めましょう。
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