マンションを売却し、新しい物件を購入した際には、確定申告が必要になるケースがあります。特に、売却による譲渡損益や、新しい物件の住宅ローン控除の適用可否は、税負担に大きく影響します。
本記事では、マンション売買時の確定申告の流れや、申告を行うタイミングについて詳しく解説します。
確定申告が必要なケースとは?
マンションの売買では、以下の2つの確定申告が関係してきます。
- マンションを購入した際の「住宅ローン控除の申告」
- マンションを売却した際の「譲渡所得税の申告」
1. 住宅ローン控除(新しいマンションの購入)
新しく購入したマンションに住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けることができます。
住宅ローン控除の条件:
- ローンの返済期間が10年以上
- 購入した物件に実際に居住している
- 床面積が50㎡以上(2022年以降は40㎡以上)
- 所得が2,000万円以下
この控除を受けるには、購入した年の翌年に確定申告をする必要があります。つまり、今年の確定申告で住宅ローン控除の申請をすることになります。
2. 譲渡所得税(以前のマンションの売却)
マンションを売却した場合、売却価格が購入価格を上回った場合に「譲渡所得税」が発生します。逆に、損失が発生した場合は、税金を抑えることが可能です。
譲渡所得の計算方法:
売却価格 – (購入価格 + 諸費用) = 譲渡所得
今回のケースでは、以下の計算になります。
- 売却価格: 1,390万円
- 購入価格: 1,530万円
- 譲渡所得 = 1,390万円 – 1,530万円 = -140万円(損失)
この場合、譲渡損失の繰越控除が適用できる可能性があります。
損しない確定申告のタイミング
それぞれの確定申告のタイミングをまとめると、以下のようになります。
申告内容 | 申告時期 | 適用条件 |
---|---|---|
住宅ローン控除 | 購入翌年(今年) | ローン返済期間10年以上、居住要件など |
譲渡所得税 | 売却翌年(来年) | 売却で利益が出た場合 |
譲渡損失の繰越控除 | 売却翌年(来年) | 一定の条件を満たすと控除適用 |
住宅ローン控除は今年、譲渡所得税の申告(損失の繰越控除)は来年の確定申告で行います。
譲渡損失の繰越控除とは?
マンション売却で損失が出た場合、「譲渡損失の繰越控除」を利用すると、今後の所得税や住民税を軽減することができます。
繰越控除の適用条件:
- 売却したマンションが自宅(居住用)である
- 売却年の翌年までに新しい住宅を購入している
- 新しい住宅で住宅ローン控除を適用している
これにより、最大で3年間、所得税の控除を受けられるため、税金負担を軽減できます。
確定申告の手続き方法
確定申告を行う際の手順は以下のとおりです。
1. 住宅ローン控除の申告(今年)
- 確定申告書A
- 住宅ローンの借入残高証明書
- 売買契約書のコピー
- 住民票の写し
2. 譲渡損失の申告(来年)
- 確定申告書B
- 売買契約書のコピー
- 譲渡所得計算書
- 取得費(購入時の領収書など)
まとめ
マンション売買時の確定申告は、住宅ローン控除と譲渡所得税の2つに分かれます。
- 新しいマンションの住宅ローン控除は今年確定申告する
- 売却したマンションの譲渡所得税(損失の繰越控除)は来年申告する
特に、譲渡損失の繰越控除を活用することで、今後の税負担を軽減できるため、忘れずに申告しましょう。
確定申告の準備を早めに行い、税制メリットを最大限活用しましょう。
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