土地・建物を孫に贈与する際のデメリットと注意点|円滑な贈与のためのポイント

土地

祖父が所有する土地や建物を孫に贈与する場合、税金や相続に関するリスクが伴います。特に、贈与後も祖父と母がその家に住み続ける場合は、贈与税や固定資産税、相続税への影響を十分に考慮する必要があります。

本記事では、孫に不動産を贈与する際のデメリットや留意点について詳しく解説し、円滑な贈与のためのポイントを紹介します。

土地・建物を孫に贈与するデメリット

孫への不動産贈与には、以下のようなデメリットが考えられます。

1. 贈与税が高額になる可能性

不動産の贈与には贈与税がかかります。特に、親から子ではなく祖父母から孫へ贈与する場合、税率が高くなる可能性があります。

贈与税の計算例:

  • 贈与財産の価値が1,000万円の場合
  • 基礎控除110万円を差し引き、課税対象額は890万円
  • 税率は40%(控除額125万円)→ 税額231万円

このように、多額の贈与税が発生するため、十分な資金計画が必要です。

2. 相続時精算課税制度の活用で相続税が発生する可能性

贈与税を抑える方法の一つに「相続時精算課税制度」があります。この制度を利用すると、贈与時の税金は抑えられますが、最終的に相続税の課税対象になるため、相続時に税負担が発生する可能性があります。

この制度を利用するかどうかは、相続税対策と合わせて慎重に検討する必要があります。

3. 固定資産税の負担が発生する

贈与後は、孫が固定資産税を支払う義務を負います。

  • 固定資産税は毎年かかる
  • 不動産の評価額により税額が変わる
  • 税額を事前に確認し、負担できるか検討する

特に、孫が学生や若年層である場合、固定資産税の支払い能力を考慮する必要があります。

4. 贈与後も祖父・母が住み続ける場合のリスク

贈与後も祖父や母がその家に住み続ける場合、「名義貸し」や「租税回避」と見なされるリスクがあります。

税務署から「実質的に贈与ではなく祖父が所有している」と判断されると、贈与が無効とされ、相続税の対象となる可能性があります。

円滑に贈与するためのポイント

孫に土地・建物を贈与する際に、できるだけ税負担を抑え、スムーズに進めるための対策を紹介します。

1. 「暦年贈与」を活用する

贈与税を抑えるために、年間110万円の非課税枠を活用する方法があります。

  • 毎年110万円以下の金額で贈与を行う
  • 数年間かけて贈与することで、大きな税負担を回避できる

ただし、不動産の所有権は分割できないため、土地の一部ずつを贈与するなどの方法を検討する必要があります。

2. 「相続時精算課税制度」を利用する

相続税の負担を減らすために、相続時精算課税制度を活用する方法もあります。

  • 60歳以上の祖父母から18歳以上の孫への贈与が対象
  • 2,500万円まで非課税で贈与可能(ただし相続時に税負担が発生)
  • 将来的な相続を見越して計画的に利用する

3. 贈与契約書を作成する

贈与を明確にするために、「贈与契約書」を作成し、正式に贈与の意思を示すことが重要です。

  • 契約書には日付・署名・押印を記載
  • 内容を明確にし、後々のトラブルを防ぐ
  • 税務署からの指摘を避けるための証拠として保管

4. 贈与後の住居利用契約を検討する

祖父や母が引き続き住む場合は、「賃貸借契約」を結び、孫が家主として管理する形をとるのも一つの方法です。

  • 名義貸しと見なされるのを防ぐ
  • 賃貸契約を結び、家賃を支払う形にする
  • 契約書を作成し、税務上のリスクを回避

まとめ

祖父から孫へ土地・建物を贈与する場合、税金や手続きの面で多くの注意点があります。

  • 贈与税が高額になる可能性があるため、非課税枠や相続時精算課税制度の活用を検討する
  • 固定資産税や管理費用を孫が負担するため、負担能力を考慮する
  • 祖父や母が住み続ける場合は、賃貸借契約を結ぶなどの対応が必要
  • 贈与契約書を作成し、税務署からの指摘を防ぐ

スムーズな贈与を行うために、税理士や司法書士と相談しながら計画的に進めることをおすすめします。

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