昭和30年代の壁式RC造建物の構造強度を調べる方法

耐震

昭和30年代に建てられた壁式RC造の建物の構造強度に関して、特に築年数が経過した現在、どのように強度を評価するかは非常に重要なポイントです。この記事では、構造強度を調べるための方法と考慮すべきポイントについて解説します。

壁式RC造の強度計算方法

壁式RC造の強度計算において、まず注目すべきは壁量計算です。壁量計算は、床面積に0.12mを掛け算して求めることができます。例えば、30坪の建物であれば、壁量は約3.6mとなります。この壁量計算を行うことによって、建物全体の強度の目安を把握することができます。

また、開口部面積と壁面積を比較して、開口周比を計算することも重要です。開口部が大きい場合、その部分の強度が弱くなるため、特に注意が必要です。これらの計算は建物の耐震性や耐風性を判断するための一つの指標となります。

コンクリート強度の推定方法

昭和30年代に使用されていたコンクリートの設計基準強度は13.5kn/㎝程度でした。しかし、時が経つにつれてコンクリートの圧縮強度は低下します。特にアジテータがなかった時代、現場での混練による配合のバラツキや加水が原因で、強度が変動している可能性があります。

現在の圧縮強度を正確に知るためには、コア抜きしてサンプルを取り、圧縮試験を行う必要があります。しかし、現住建物でそのような試験を行うことは難しいため、過去のデータや他の同年代の建物を参考にして推定する方法が一般的です。

現場でできる構造強度調査

現場で強度を調査する方法としては、目視による構造の点検が最も基本的な手段です。例えば、ひび割れや膨張などの異常が見られる場合、それが構造に影響を与えている可能性があります。また、壁式RC造の場合、壁の厚さや鉄筋の状態をチェックすることも大切です。

また、近年では非破壊検査技術を用いて、コンクリート内部の状態を調べる方法もあります。この方法では、コア抜き試験を行わずに、コンクリートの強度や状態を調べることが可能です。これらの調査方法を駆使して、構造的に問題がないかを確認することが重要です。

まとめ

昭和30年代に建てられた壁式RC造の建物の構造強度を調べるには、壁量計算や開口周比計算、過去のコンクリート設計基準強度を参考にした推定が必要です。また、現場での点検や非破壊検査を通じて、実際の強度を確認することが求められます。専門家に依頼して、詳細な調査を行うことで、今後の修繕や補強が必要かどうかを見極めることができます。

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