マンションをフルリフォームしてキッチンを「少し前に出す(20 cm程度移動)」というような微調整の依頼を受けるケースは少なくありません。しかし、「キッチン本体代だけ」でなく、配管・給排水・ガス・換気ダクト、内装補修などが関係するため、総コストや注意点を知らずに進めると想定より高額になることがあります。本記事では、そうした「キッチンの位置変更+前出しリフォーム」の費用相場とチェック項目を整理します。
キッチン移動リフォームの一般的な費用相場
まず基本として、キッチン移動を伴うリフォームの相場は、以下のように報告されています。これはあくまで「移動やレイアウト変更あり」の場合の価格帯です。
- 同じフロアでキッチンの位置を少し移動するだけ → 約20〜70万円ほどが目安。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
- キッチン本体の交換を含めて、壁付け→対面やレイアウト変更を行う場合 → 約100〜200万円ほど。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
- 大幅な間取り変更やアイランドキッチン化など大掛かりなリフォームを伴う場合 → 約150〜250万円以上になることも。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
このように、リフォームの範囲や内容によって金額に大きな幅があります。
「20 cm前に出す」場合の考えられる工事項目とコスト構造
あなたが想定する「キッチンを20 cm前に出す」という工事は、一般的な“キッチン移動リフォーム”の中では小さめな改修にあたる可能性があります。ただし、次のような工事項目が関係し、費用や可否に影響します。
- 給排水管・ガス管の延長または移設
- 換気ダクト・レンジフード位置の調整または延長
- 床や壁の補修、床下の配管ルート確保や床レベルの調整
- キッチン本体の移設および再固定、既存システムキッチンの状態確認
- 電気配線やコンセント、設備の再配置
これらを踏まえると、単に「キッチンを前に20 cm出すだけ」でも、上記の条件によっては「位置移動+配管・換気対応+内装補修」が必要となり、結果として20〜70万円のレンジ、場合によってはもう少し上乗せされる可能性があります。
マンション特有の制約 ― PS・排気ダクト・共用部との関係性
特にマンションの場合、注意すべき制約があります。多くのマンションでは排水管や排気ダクト、ガス管などが「PS(パイプスペース)」や共用部経由で通っており、ここから遠く離れた位置へキッチンを移すと、勾配確保や換気経路確保が難しくなることがあります。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
そのため、リフォーム会社に相談する際には「排水管の勾配は確保できるか」「換気ダクトの延長が可能か」「共用部に手を加えてよいかどうか(管理組合の承認が必要であるか)」などを事前に確認する必要があります。
実例から見た「少し前に出す」リフォームの成功例と注意点
例えば、ある事例では「既存キッチンを移動せず流用しつつ位置だけ変更・対面化」したリフォームで、30〜50万円台で対応した例があります。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
一方で、給排水やガス、換気ダクトの延長を伴うリフォームでは、100万円前後〜200万円前後のコストになるケースも少なくありません。特に、キッチン本体の交換を伴うとコストが跳ね上がるため、古めの設備をそのまま使うか、新調するかで総額が大きく変わります。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
見積もりを取るときに確認すべきチェックリスト
リフォーム会社からの見積もりを依頼する際は、次の点を明記または確認しておくと、不足やトラブルを避けやすくなります。
- 給排水管・ガス管・換気ダクトの移設が必要か
- 床の補修や勾配確保のために床上げ・下地補修が必要か
- キッチン本体移設だけか、新規キッチン導入か
- マンションの管理規約や共用部の構造に抵触しないか
- 内装(壁・床・天井)の補修や仕上げも含まれているか
これらを事前に確認することで、「工事後に思ったより高くなった」「そもそも移設不可だった」といった失敗を防ぎやすくなります。
まとめ
「マンションのキッチンを20 cm前に出す」というような軽めの位置変更リフォームは、状況によっては20〜70万円程度で済む可能性があります。しかし、給排水・ガス・換気・床補修などの条件が絡むと、100万円前後〜200万円以上かかるケースもあるため、事前に構造・配管の条件と施工内容をしっかり確認することが重要です。
また、マンションでは「排水・換気のルート」「共用部への影響」「管理規約の確認」が必須になります。希望通りに進めるには、リフォーム会社とよく相談して、複数の見積もりを取り、安全かつ後悔のないプランを選びましょう。


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