新築のキッチンで「カウンター下の収納を引き戸に変えたい」「ダイニングテーブルと干渉するため開き扉を外したい」というケースは少なくありません。特にクリナップのステディア・デュアルトップ対面タイプでは、構造上の仕組みを理解することで後悔のないリフォーム計画ができます。本記事では、カウンター下収納の構造や注意点、引き戸化の現実的な方法について詳しく解説します。
デュアルトップ対面の収納構造を理解する
ステディアのデュアルトップ対面タイプは、キッチン本体とカウンター下収納が一体化しているように見えますが、実際には「カウンターを支える構造」「収納ユニット」「仕上げ材」がそれぞれ独立したパーツで構成されています。
そのため、開き扉が付いた収納部分も“完全に外せないわけではない”構造になっているものの、撤去するにはカウンター荷重や接合部の状態を考慮する必要があります。無理に取り外すと、カウンターのたわみやクロスの破れなど二次的トラブルが起きやすいため注意が必要です。
開き扉収納を引き戸化するのは可能?
結論として、カウンター下の開き扉収納を引き戸に変更することは可能ですが、標準仕様ではなく「カスタム施工」の扱いになります。引き戸はレール・枠・建具サイズの調整が必要で、既存の開き扉だけを外して単純に付け替えるという方法では成立しません。
具体例として、キッチンメーカーの収納ユニットは、扉板の重量や丁番の位置などを計算した上で設計されているため、レール式の扉に変更する場合には下地補強や枠組みの追加が伴います。リフォーム業者では「部分造作」として対応することが多く、費用は5万〜15万円ほどが一般的な範囲です。
自分で取り外しを検討する場合の注意点
DIYで収納部分を外したい、という相談もよくありますが、以下の3点を事前に確認することが重要です。
- カウンターを支える構造体と一体化していないか:収納が“壁代わり”になっている場合、撤去は危険です。
- 下地やビス固定位置を確認:ビスを外すだけで外れるように見えても、内側で連結金具が複数使われている場合があります。
- 撤去後の見た目(開口部)をどう処理するか:収納撤去後、床材の段差や壁面の未施工部分が露出することがあります。
特にデュアルトップの場合、収納上部の天板部分が見栄えを重視した仕上げになっているため、想定外の露出が出るケースもあります。
実例として、ある施主は開き扉を自分で外したところ、内部にカウンターを支える横桟が通っており、結果的に引き戸の設置が困難になったというケースがあります。このように、内部構造は見た目だけでは判断できません。
引き戸化の現実的な選択肢
引き戸にしたい場合、取りうる選択肢は次の3つです。
- ①収納前に後付けの“前面引き戸”を設置する:収納を撤去せず、棚前にレールをつけて引き戸を追加する方法。家具職人や内装業者がよく採用します。
- ②収納ユニットを部分造作でリフォーム:既存ユニットを活かしつつ、開き扉部分だけ引き戸へ変更。
- ③収納ユニットを丸ごと引き戸タイプへ交換:ステディア以外の既製収納を組み合わせる方法もあります。
導入しやすいのは①で、施工費3万〜8万円ほど。収納の内部はそのまま使えるため、ダイニングテーブルとの干渉だけ解消したい場合に適した方法です。
②や③は費用が上がりますが、デザイン性や使い勝手を統一したい場合に選ばれます。
まとめ
クリナップ・ステディアのデュアルトップ対面タイプにおける開き扉収納は、“取り外し自体は可能だが構造的リスクが高い”点を理解しておくことが重要です。DIYでの撤去は慎重に判断し、引き戸化したい場合は「前面引き戸の後付け」など、構造を損なわずに済む方法を検討するのがおすすめです。
キッチンとダイニングの動線が快適であれば、日々の使い勝手は大きく向上します。遮るものがないスッキリとした収納環境を実現するために、仕上がりイメージと安全性を両立した方法を選びましょう。


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