建築現場での“仮設階段・梯子”転落事故―設置の正しい原則と実務対応ガイド

新築一戸建て

住宅建設中の工事現場において、ご家族の方が仮設の梯子を登り転落されたという大変な事案に直面された方に向けて、建築現場での仮設階段・梯子の設置原則、安全管理、施主として確認すべきポイントを整理しました。

h2 仮設階段/梯子を使う現場の安全原則

建築工事の現場では床面が確定しておらず、建物内の移動に仮設梯子や仮設階段を使うことがあります。しかし、これらは“高所作業”に分類され、落下・転落による重大事故リスクが高いことが報告されています。 [参照]

例えば、作業床や階段が未設置の状態での出入りは、原則「設置完了/安全確保後」であるという認識が必要です。施工会社・工務店においても、仮設通路・階段・梯子の設置及び点検が義務付けられています。 [参照]

h2 安全な仮設梯子・階段の設置条件とは

転落事故を防ぐためには、仮設の通路や梯子設置にあたり次のような条件が求められます。

  • 固定・滑り止めの確保:床面上で動かないように留め具でアンカー固定、また足元・床面が滑りにくい状態であること。
  • 適正な荷重・角度:梯子・仮設階段は許容荷重を超えないこと、また傾斜・踏面幅が確保されている設置であること。
  • 立入り制限・安全帯使用などの措置:作業員以外の立ち入り状況を制限・誘導し、安全帯の着用や仮囲い・手すり設置などがなされていること。

実例として「床板に段ボールを敷いてその上に梯子を設置しただけ」というような状態では、足元条件・固定条件ともに安全確保ができておらず、非常にリスクが高いと考えられます。

h2 施主・ご家族が知っておくべき確認ポイント

施主・ご家族が現場を見学する際にも、安全を確保するためのチェックリストが役立ちます。

  • その時点で「作業床・階段が設けられているか」「仮設通路が明示されているか」を確認。
  • 「仮設梯子が固定されているか」「滑り止め・足元の状態」が適切かを視覚的に確かめる。
  • 作業員以外の立ち入りが制限されているか、また工務店側から安全ルールの説明があるかどうかも重要です。

このような態勢がない場合、転落リスクが高く、事故が起きた際の責任関係・賠償対応も複雑化する可能性があります。

h2 事故発生時の手続きと対応の流れ

もし転落事故が起きた場合、次のような手順で対応することが重要です。

① ケガをされた方の救急対応・医療機関受診。② 事故の原因となった仮設通路・設備の現場写真撮影・状況記録。③ 工務店・施工会社に対して「なぜその状態で立ち入りが可能だったのか」「安全管理体制はどうなっていたか」を文書で確認。④ 必要に応じて労働基準監督署・民間の専門家(建築安全コンサルタントなど)に相談して第三者評価を求める。

こうした対応が不十分だと、施主・ご家族として「誘導した側の責任」「立ち入りさせた側の責任」「施工会社側の安全管理義務」の関係があいまいになってしまう可能性があります。

h2 心理的な罪悪感や責任感への対処と支援

現場に誘ったご自身が「自分が悪い」と強く感じてしまうことは自然なことです。しかし、建設現場の安全においては「関係者全員で安全管理を行う」という視点が重要で、個人だけに責任があるわけではありません。

心理的な負担が大きい場合は、専門のカウンセリングや家族・関係者と今後の安全対策を話し合い、現場の改善を施工会社と共有することで安心感を得ることも有効です。

h2 まとめ

二階建て建設中の現場で仮設階段未設置・梯子のみでの移動という状態は、転落リスクが高い“安全上問題のある状態”と言えます。施主・ご家族としても「安全な作業環境が整っているか」「現場の立入可否・安全措置」を必ず確認すべきです。

今回のような事故をきっかけに、現場の安全体制を工務店・施工会社と改めて見直し、再発防止につなげることが将来の安心につながります。どうかご自身・ご家族ともに無理をせず、安心できる環境づくりを進めてください。

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