住宅の第1種換気装置が古くなって入れ替えを考えている方へ。「給気量と排気量を別々に調整できる機能が欲しい」というご希望に対して、仕組み・機能・選び方・実際の機器仕様までを整理しました。
h2 第1種換気装置とは何か・気圧バランスの基本
第1種換気方式では、給気と排気の両方を専用のファンで機械的に行う仕組みです。 [参照] (参照)
この方式では、給気量と排気量のバランスを正しく設計・調整しないと、室内が「負圧(排気量>給気量)」あるいは「正圧(給気量>排気量)」になりやすく、外気の侵入・設備不具合・結露リスクなどにつながります。 [参照] (参照)
h2 給気量・排気量を別々に調整できる装置の有無と機能
給気量と排気量を独立に調整できる機器が可能かという点ですが、実際には次のような仕様が存在します。
例えば、Panasonicの気調システムでは、室内外の温度差・湿度に応じて給気・排気風量を自動で最適化する機能が備わっており、「給気風量はそのまま、排気風量を絞って正圧傾向にする」といった設定も可能です。 [参照]
また、環境庁のガイド資料においては「第1種換気の場合、給気ファン・排気ファン双方にインバーターを導入して給気量・排気量のバランスを取ることが望ましい」と明記されています。 [参照]
h2 負圧になるのが嫌な住宅ではどう調整すべきか
「室内が負圧になるとドアの開閉が重くなる」「外部の空気や臭気が壁の隙間から入ってくる」といった懸念がある場合、以下のポイントを検討しましょう。
- 給気量を排気量よりやや多めに設定(正圧傾向)にする。その結果、外部からの隙間風や臭気の侵入が抑えられます。
- ダクトの抵抗・フィルターの目詰まりをチェック。給気が思うように流れずに排気が優勢になり負圧化するケースがあります。 [参照]
- 定期メンテナンス・風量測定を行う。設置後数年経過している場合、ファン性能低下やダクト内汚れで風量バランスが崩れている可能性があります。 [参照]
h2 交換・選定の際にチェックすべき仕様と実例
交換を検討する際には、次の仕様を確認して機器選びを進めると安心です。
| 仕様項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 風量可変範囲 | 給気・排気ともにインバーター制御・風量段数が設定されているか |
| 気圧制御機能 | 給気/排気の風量差を制御して室内を正圧/負圧にできる機能があるか |
| 熱交換効率 | 全熱交換型か否か。省エネ+給気量維持の観点で重要。 [参照] |
| フィルター・メンテナンス情報 | 汚れによる風量低下が負圧化を招くため、交換サイクル・手軽さも要確認。 |
実例として、「給気風量を維持しつつ排気風量を70%に落として正圧化設定」した住宅で、冬場の隙間風と花粉の侵入が大幅に軽減されたという報告があります。
h2 まとめ
「給気量と排気量を別々に調整できる」第1種換気装置は、最近の機器では十分に実現可能です。設置から数年経って気になっているのであれば、給気/排気双方の風量可変、気圧制御(正圧/負圧対応)、風量測定やダクト抵抗・フィルター状況を含めた設計・メンテナンス仕様を確認することが重要です。
まずは現状の風量バランスを測定し、機器のカタログ・仕様書を施工業者・設備業者とともに確認しながら“安心して使える換気システム”への更新を検討してみてください。


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