中古住宅を購入した際、空き家期間が長かったり気密性が低かった建物では、カビの発生が深刻化しているケースが多く見られます。特に、古い漆喰壁は湿気を吸収しやすく、カビや臭いの原因にもなります。この記事では、カビのある古い漆喰壁を安全かつ効果的にリフォームするための基本手順と、シーラーの正しい使い方について解説します。
古い漆喰壁にカビが発生する原因
漆喰は調湿性に優れた素材ですが、長期間換気が行われないと、湿気を吸収したまま放出できずにカビが発生します。また、元住人が不適切に施工していた場合や、壁の下地がカビている場合も悪臭や黒ずみの原因になります。カビの根は漆喰の表面だけでなく、内部にまで入り込んでいることがあるため、単に上から塗り直すだけでは根本的な解決にならないこともあります。
漆喰の上にそのままシーラーを塗るのはNG?
「掃除をしてからシーラーを塗って、その上に新しい漆喰を塗れば大丈夫」と考える方も多いですが、実際にはおすすめできません。カビが残った状態の上からシーラーを塗ると、カビを封じ込めてしまい、時間の経過とともに再び発生する恐れがあります。まずは下地のカビ除去と乾燥が最優先です。
また、古い漆喰が浮いていたり剥がれている場合には、下地を補修せずに塗装しても密着せず、後から剥離するリスクが高まります。壁の状態を確認して、必要に応じて古い漆喰を部分的に剥がすか、全面的に下地処理を行いましょう。
カビ対策をしながら漆喰を塗り直す正しい手順
以下の手順で進めると、安全で長持ちする壁仕上げが可能です。
- カビの除去:まずは漂白剤やカビ除去剤を薄めて布で拭き取り、しっかり乾燥させます。
- 古い漆喰の状態確認:剥がれや浮きがある部分はスクレーパーで除去します。
- 下地の補修:凹凸部分をパテや下地材でならします。
- 防カビシーラーの塗布:カビ防止機能のあるシーラーを均一に塗り、乾燥させます。
- 漆喰の再塗装:完全に乾いたことを確認してから、新しい漆喰を塗ります。
このように段階的に作業することで、カビの再発を防ぎながら綺麗な仕上がりを得ることができます。
安全に作業するためのポイント
カビ取り作業中はマスクとゴム手袋を着用し、換気を十分に行いましょう。また、湿度が高い時期に作業すると乾燥が遅れ、再びカビが発生しやすくなります。できるだけ天気の良い日に行うのがおすすめです。さらに、漆喰を塗る際は、一度に厚塗りせず、薄く重ねるように塗ることでひび割れを防げます。
まとめ
古い中古住宅の漆喰壁にカビが発生している場合、単純にシーラーを塗って上から漆喰を重ねるだけでは根本的な解決になりません。まずはカビ除去と乾燥を徹底し、下地の補修と防カビシーラーの塗布を正しく行うことが大切です。手間はかかりますが、この手順を守ることで、カビ臭さのない清潔で快適な住環境を取り戻すことができます。


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