住宅の外壁工事でよく耳にする「胴縁(どうぶち)」という部材。サイディングを施工する際に欠かせない部分ですが、「これは大工さんが取り付けるの?それともサイディング屋さんがやるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、胴縁の役割と職人ごとの作業範囲について詳しく解説します。
胴縁とは?基本的な役割を理解しよう
胴縁とは、外壁材(サイディング)を固定するために建物の下地に取り付ける細い木材や金属材のことを指します。外壁材と建物の間に空気層を設けることで、通気性を確保し、湿気や結露を防ぐ重要な役割を担っています。
つまり、胴縁は単なる下地ではなく、「家の寿命を左右する部材」といっても過言ではありません。適切な施工を行わないと、外壁の剥がれや内部の腐食につながる可能性もあります。
大工とサイディング屋、それぞれの役割
胴縁の取り付けは、現場の工程や工務店の方針によって担当が異なります。一般的には以下のような分担が多く見られます。
- 大工が取り付けるケース:木造住宅で、外壁の下地(構造体)を仕上げた段階で大工が胴縁を取り付けることがあります。特に、構造や通気層の設計を考慮して細かい納まりを確認しながら施工します。
- サイディング業者が取り付けるケース:外壁専門の職人がサイディングを貼る前に、専用の胴縁を自ら施工するパターンです。特に金属胴縁(軽量鉄骨材など)の場合は、サイディング屋が取り付けることが一般的です。
どちらが担当するかは、建築会社の施工体制によって異なります。ハウスメーカーや工務店ごとに明確な分業ルールを持っている場合も多いです。
施工の品質を左右する「通気構法」
現在の外壁工事では「通気構法」が主流となっています。これは、胴縁によってサイディングと防水シートの間に空気層を作り、内部の湿気を外に逃がす構造です。胴縁の厚みや取り付け間隔が正しくなければ、通気が確保できず、壁内結露の原因となることもあります。
そのため、胴縁の施工は単なる「下地づくり」ではなく、防水や断熱性能を保つための重要工程です。担当する職人の経験と精度が求められます。
現場でよくあるトラブルと注意点
胴縁施工に関するトラブルとしては、以下のようなものがあります。
- 雨天時に施工して木材が湿気を含み、後に反りやカビが発生する
- 胴縁の取り付け間隔が均一でなく、サイディングが波打つ
- 釘やビスの締めすぎによる強度不足やひび割れ
このような問題を防ぐためには、施工前に材料の乾燥状態や固定方法をしっかり確認し、適切な工事管理を行うことが大切です。
まとめ
胴縁の取り付けは、大工が行う場合もあれば、サイディング業者が担当する場合もあります。大切なのは、どちらの職人が施工するにしても「通気性」「精度」「防水性」を確保できているかどうかです。建築現場での担当を確認しつつ、信頼できる業者に依頼することで、長持ちする外壁を実現できます。
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