TIG溶接を始めたばかりで、1mmの鉄板を突き合わせて溶接しようとした際に片側の鉄板しか溶けないという問題に直面している方も多いでしょう。この記事では、その原因と解決方法について解説します。
1. TIG溶接の基本と鉄板の溶接
TIG溶接は、溶接棒とタングステン電極を使用して高温で金属を溶かす溶接方法です。鉄板などの金属を突き合わせて溶接する場合、両方の鉄板が均等に溶けることが理想です。しかし、片側しか溶けない場合にはいくつかの原因が考えられます。
2. 片側しか溶けない原因
1mmの薄い鉄板の突き合わせ溶接で片側しか溶けない原因として、以下のことが考えられます。
- 熱の供給不足: 溶接機の設定温度が低すぎる場合、十分に熱が供給されず、片側しか溶けないことがあります。
- 溶接棒の使い方: 溶接棒の位置や溶接速度が不適切だと、鉄板の片側だけに熱が集中することがあります。
- アークの位置: アークが正しく調整されていないと、溶接したい鉄板の片側だけが加熱され、もう片方は十分に溶けないことがあります。
- フィラーメタルの量: 適切なフィラーメタルを使用しないと、溶接が不均等になり、片側だけが溶ける原因になります。
3. 溶接の設定と調整方法
片側だけが溶ける問題を解決するためには、溶接の設定を見直すことが重要です。以下の点を確認し、調整を行いましょう。
- 電流と電圧: 使用している溶接機の電流と電圧が適切か確認します。薄い鉄板には比較的低い電流で作業することが一般的です。
- 溶接速度: あまりにも早く溶接すると熱が不均等に伝わり、片側だけが溶ける原因になります。適切な溶接速度で作業しましょう。
- アークの調整: アークを正しく調整することで、熱の供給を均等にすることができます。アークの位置を細かく調整して、両側の鉄板を均等に溶かすことができるようにします。
- フィラーメタルの追加: 1mmの鉄板の場合、フィラーメタルをうまく追加し、溶接部分の強度を保つことも大切です。
4. よくある失敗と注意点
溶接を行う際に注意すべき点は、熱の集中を避けることです。また、溶接棒やアークの位置を細かく調整することで、より均等に溶接することができます。初心者の場合は、まず薄い鉄板での練習を重ねることをおすすめします。
5. まとめ
片側しか溶けない原因としては、溶接機の設定や溶接速度、アークの位置などが関係しています。これらを調整し、しっかりと練習を重ねることで、均等な溶接が可能になります。問題が解決しない場合は、プロフェッショナルに相談してアドバイスを受けるのも一つの方法です。


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