ロバート・キヨサキの「金持ち父さん 貧乏父さん」を読んで感じた疑問や腑に落ちない点について、多くの人が感じていることだと思います。本書では「持ち家は負債」とされ、賃貸生活の方が資産形成に有利だという意見が述べられていますが、この考えに疑問を抱く読者も多いです。特に「家賃は負担でないのか?」という問いについて、詳しく解説していきます。
1. 「持ち家は負債」という考え方の背景
「金持ち父さん 貧乏父さん」では、持ち家のローン返済が資産形成を妨げるとされています。ローンを返すためにお金が固定費として支払われ、家そのものは資産とは見なされません。これは、「持ち家を買うためのローン返済が、月々のキャッシュフローを圧迫し、自由にお金を使える余裕がなくなる」という考えに基づいています。
対して、賃貸であれば月々の支払いが決まっているため、ローン返済のように負担が増えることはなく、浮いたお金で資産を増やせるという考え方が提示されています。しかし、この「賃貸」のメリットを実現するには、家賃もまた固定費としてあるため、必ずしも無条件に有利とは言えない点があります。
2. 家賃とローン返済の違いとは?
「賃貸は支出が少ない」という印象がありますが、実際には賃貸も月々の支出がかかります。特に大都市では、家賃が高額であり、長期的に見ると家を購入するよりも支払い総額が大きくなることもあります。しかし、賃貸の最大の利点は、家のメンテナンスや修繕費が発生しないことです。また、家賃を支払い続けることで、住宅の価値が下がることを心配する必要がないという点でも有利です。
逆に、持ち家の場合、ローン返済が続く限り支払いの負担がありますが、長期的には資産として残ります。資産価値が上がれば、その後の売却時に利益を得ることも可能です。これは将来の資産形成に役立つ可能性があります。
3. 家賃が1/4に設定された理由
「金持ち父さん 貧乏父さん」の中で、家賃がローン返済額の1/4に設定されている点に違和感を持つ人が多いのも事実です。これは、著者がアメリカの事情に基づいて書いた内容であり、現在の日本や他国の物価、賃貸事情とは異なります。実際、都市部の賃貸物件では家賃が高額で、ローン返済額と同程度、またはそれ以上になることが一般的です。
したがって、この部分については、現在の状況に照らし合わせて自分自身の生活に合った判断をすることが重要です。特に高額な家賃を支払う場合、賃貸のメリットが薄れてしまうこともあるため、よく考慮する必要があります。
4. 現代における家賃と資産形成
現代では、家賃を支払い続けることが必ずしも資産形成を妨げるわけではありません。多くの人が賃貸物件に住み続ける中で、株式投資や不動産投資、または自己投資にお金を使い、資産形成を行っています。家賃が高い都市部でも、賃貸生活を送りながら他の投資に回すお金を捻出する方法はあります。
賃貸で生活しながらも資産形成をするためには、生活のコストを最適化し、余剰資金を効率的に運用することが重要です。お金をどこに投資するか、どのように資産を増やしていくかという戦略を立てることが、資産形成において非常に重要となります。
5. まとめ:家を買うか賃貸かの選択
結局、家を買うか賃貸で生活するかは、個々のライフスタイルや経済状況による判断が必要です。ローン返済の負担を軽減し、自由な生活を送りたい場合は賃貸が適していることもあります。一方、将来の資産形成を見据え、安定した場所に住み続けたい場合は持ち家が有利に働くかもしれません。
どちらの選択肢が自分にとって最適かを慎重に考え、将来の生活設計を見据えた決断をすることが大切です。
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