山間部の中古住宅で「水道の維持が困難」とは？理由と具体例を解説

中古住宅の物件情報を見ていると「集落で居住しているのは1戸のみで水道の維持が困難」といった記載を見かけることがあります。これは単に不便という意味ではなく、ライフラインに直結する重要な注意点です。この記事では「水道維持が困難」とされる理由や具体的なリスクについて解説します。

水道の維持が困難とされる理由

地方の山間部や限界集落においては、上水道や簡易水道の利用者が減少することで維持管理が難しくなります。水道管は定期的なメンテナンスや検査が必要ですが、利用者が少ないと費用を分担できず、運営が立ち行かなくなるのです。

また、水源が山の湧き水や沢水の場合、ポンプの電気代や水質管理の負担を個人が背負う必要が生じるケースもあります。

例えば、ある山間集落では10戸あった住宅のうち9戸が空き家となり、残る1戸だけで水道設備を維持することになりました。その結果、年間数十万円規模の維持費を個人が負担せざるを得ず、水道の使用を断念し井戸を掘る選択をしたという事例もあります。

別の地域では、簡易水道組合が解散してしまい、各戸が自前でポンプやタンクを設置しなければならなくなった例もあります。

こうした点を事前に役場や不動産業者に確認することが重要です。

水道の維持が難しい場合、井戸水や自家水道の利用を検討することもあります。ただし、井戸掘削には初期費用がかかり、水質管理も自己責任となるため注意が必要です。また、雨水タンクを設置して生活用水の一部に利用する方法もあります。

「水道の維持が困難」という表記は、単に不便というよりもライフラインの確保に重大な影響を及ぼす注意事項です。費用負担の増加や水の確保が個人任せになる可能性が高く、購入を検討する際には現地での確認と代替手段の有無をしっかり調べることが大切です。