CNCフライス盤を使用している際、ドリルが材料を持ち上げてしまう問題が発生することがあります。この現象は、特にドリルが材料に深く食い込んだり、戻す際に発生することが多いです。この記事では、この問題の原因とその解決方法について詳しく解説します。
1. ドリルの戻し時に発生する材料の持ち上げ
ドリルが深さ24mmまで穴を開けた後、M03で戻す際に材料が持ち上がる問題が発生することがあります。この現象は、ドリルが回転しながら戻る際、材料に引っかかる力が発生するためです。特に、M03(時計回り)での戻しやM04(反時計回り)での戻しでは、ドリルの回転方向が異なるため、材料に対する力のかかり方が異なり、持ち上げる原因となることがあります。
また、戻す際にドリルが完全に材料から離れていない状態で回転していると、引っかかりが生じ、持ち上げやすくなります。
2. ドリルの回転と送り速度の影響
ドリルの回転速度(RPM)や送り速度(Feed rate)が不適切だと、材料の持ち上げが発生しやすくなります。特に、回転数が高すぎると、切削時に発生する力が大きくなり、ドリルが材料を引き上げてしまうことがあります。
適切な回転数と送り速度を設定することで、ドリルが材料を持ち上げるリスクを減らすことができます。特にM03やM04での戻し動作では、回転を停止してから送り動作を行うことで、材料を持ち上げる力を軽減できます。
3. CNCフライス盤の設定とツールパスの最適化
ドリルが材料を持ち上げる問題を解決するためには、CNCフライス盤の設定を最適化することが重要です。ツールパスの設定を見直し、戻し動作の前にドリルの回転を停止させるか、回転を非常に低速にすることで、材料が持ち上がる問題を防げることがあります。
また、切削中の圧力が均等にかかるように、送り速度や深さを調整することも有効です。たとえば、最初の切削時に浅く切り込んでから深さを増していく「ステップダウン加工」を行うことで、材料への負担を減らし、持ち上げのリスクを軽減できます。
4. まとめ: CNCフライス盤で材料が持ち上がる原因と対策
CNCフライス盤で材料が持ち上がる原因は、主にドリルの回転時の力、送り速度の設定ミス、またはツールパスの不適切な設定に起因しています。この問題を解決するためには、ドリルの回転を適切にコントロールし、送り速度や回転数を最適化することが重要です。
また、ツールパスや加工手順を見直し、材料に均等に力がかかるように設定することで、持ち上げ現象を防ぐことができます。CNCフライス盤を使う際は、これらのポイントに注意して、問題の発生を防ぎましょう。
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