昭和30年代に使われていた茅葺き屋根の家には、囲炉裏があり、煙が屋根の切り妻の穴から排出されるという独特の構造がありました。今回は、そのような家における煙の排出方法、そして当時金持ちの家で考えられた設備について解説します。また、雪が煙出口から入ってきたという体験についても触れていきます。
茅葺き屋根の家の構造:煙はどのように排出されていたのか
昭和30年代の茅葺き屋根の家では、囲炉裏の煙が屋根の切り妻の穴から直接外に排出されていました。これは非常にシンプルな構造で、煙突のように人工的な排煙装置が存在しない代わりに、屋根の形状自体が自然に煙を外に導く役割を果たしていました。
ただし、このような構造には問題点もありました。特に寒冷地では、冬に雪が煙出口に入ることで煙の排出がうまくいかなくなることがありました。また、家の中に煙がこもるといったことも考えられたため、周囲の環境や屋根の勾配なども重要な要素でした。
金持ちの家で見られた設備:煙の排出の工夫
金持ちの家では、一般的にもっと洗練された煙の排出方法が採用されていた可能性があります。一つは、煙をより効率的に外に逃がすための「フード」や「板戸」を設けることが考えられます。これらの設備は煙の流れをスムーズにするためのもので、特に煙突の役割を担う構造を強化するために利用された可能性があります。
さらに、高い家屋では煙を外に逃がすために壁に取り付けた排煙用の設備を設けたり、火の粉が飛ばないように工夫をしていたとも考えられます。これにより、煙突から煙を効率的に外に排出し、家屋内に煙が充満するのを防いでいたのです。
煙の排出問題:雪や寒さの影響とその対策
寒冷地における雪の問題も、煙の排出に大きな影響を与えていました。屋根の切り妻に空けられた穴から煙を排出する構造では、特に雪が穴を塞いでしまうことがありました。このため、冬場に煙の排出が上手くいかない場合があり、煙が家の中に充満することがありました。
金持ちの家では、この問題を解決するために煙突にフードを取り付けるなどして、雪が直接入ることを防いでいた可能性があります。また、煙の排出を助けるために屋根の勾配や煙突の高さを調整していたとも考えられます。
昭和の家の煙突の構造とその利点・欠点
このような煙の排出方法は、現代の設備に比べて非常に原始的でしたが、当時の家屋の構造には合っていた部分もあります。しかし、現代では煙突の構造や煙の排出が効率的に行えるような機器が多く普及しています。現在の住宅では、煙突を通じて煙をスムーズに排出できる設備が整っており、屋内の空気の質を保つために改善されています。
ただし、昭和30年代の家では、こうした設備がないため、煙の排出に関する問題がいくつか発生しましたが、当時の家の特徴としては、非常にシンプルで実用的な設計がされていたことも理解できます。
まとめ:茅葺き屋根の家の構造とその特徴
茅葺き屋根の家の煙の排出方法は、現代のような便利な設備がない時代の知恵として、屋根の形状や空間の使い方に工夫が凝らされていました。しかし、寒冷地や雪の問題などもあり、煙の排出に課題があったことも考えられます。
金持ちの家では、煙の排出方法を改善するためにフードなどの設備を追加していた可能性がありますが、全体的には非常にシンプルで実用的な設計が当時の特徴でした。現代の住宅のような技術が進化する前の時代の家屋の構造を知ることができる貴重な情報となります。
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