マンションの漏水事故と火災保険:管理組合と区分所有者の責任と補償範囲

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マンションにおける漏水事故は、共用部から専有部への漏水やその逆など、複雑なケースが多く、誰がどの保険を使うべきかが問題となります。特に、管理組合が加入する火災保険と、各区分所有者が加入する火災保険の補償範囲や責任の所在について、理解しておくことが重要です。

マンションの火災保険の基本構造

マンションには、管理組合が共用部分を対象に契約する「マンション総合保険」と、各区分所有者が専有部分を対象に契約する「個人の火災保険」があります。これらは補償対象や責任の所在が異なります。

漏水事故が発生した場合の責任の所在

漏水事故の原因が共用部にある場合、管理組合が責任を負うことになります。例えば、給水管が共用部分にある場合、その破損による漏水は管理組合の責任となり、管理組合の火災保険が適用されます。

区分所有者の火災保険の役割

区分所有者が加入する火災保険は、専有部分の損害を補償するものであり、共用部からの漏水による損害には原則として適用されません。しかし、専有部分が原因で他の住戸に損害を与えた場合、加害者となる区分所有者の火災保険の「個人賠償責任保険」が適用されることがあります。

漏水事故の際の保険の適用例

例えば、上階の専有部分の給水管が破裂し、下階の住戸に漏水した場合、下階の住戸の損害は上階の区分所有者の火災保険の「個人賠償責任保険」で補償される可能性があります。しかし、管理組合が加入する火災保険の「施設賠償責任保険」が適用される場合もあります。

まとめ

漏水事故が発生した場合、原因が共用部か専有部分かによって、適用される保険が異なります。管理組合と区分所有者がそれぞれの責任と補償範囲を理解し、適切な対応をすることが重要です。特に、管理組合が加入する火災保険の内容や特約について、定期的に確認し、必要に応じて見直すことをおすすめします。

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