注文住宅を建てる際、「気密性を高めたい」という希望は快適な住環境をつくるうえで非常に重要です。特に断熱性能と気密性能はセットで考える必要があり、その際に登場するのが「防湿シート」や「ペーパーバリア」といった気密層の施工材です。この記事では、標準仕様として防湿シート付きグラスウールが使われている住宅に、さらにペーパーバリアを追加する必要があるのかをわかりやすく解説します。
気密性を高めるために重要な要素とは?
住宅の気密性とは、建物の隙間から外気や室内の空気が出入りしないようにする性能のことです。気密性が高まると、冷暖房効率が良くなり、結露のリスクが低下し、省エネにもつながります。具体的には、建物の隙間を徹底的に塞ぐための「気密施工」が重要です。
その気密施工でよく使われるのが「気密シート(防湿シート)」や「ペーパーバリア」といった部材です。これらは室内の温かい空気や湿気が壁体内に侵入するのを防ぎ、断熱材の性能を長く維持する役割を果たします。
防湿シート付きグラスウールとは?
注文住宅の標準仕様で使われている「防湿シート付きグラスウール」とは、断熱材であるグラスウールに防湿層(ポリエチレンフィルムなど)があらかじめ貼り付けられている製品です。この防湿層が、一定の気密性能を確保する役割を担っています。
このような製品を適切に施工することで、基本的な気密性はある程度確保できます。ただし、施工の丁寧さや継ぎ目処理の有無によって実際の気密性能には差が出るため、断熱材の性能だけで安心するのは早計です。
ペーパーバリアとは?
ペーパーバリアとは、クラフト紙などを基材にした気密・防湿性のあるシートのことで、特に北米などで広く使われている防湿層です。日本の住宅ではあまり一般的ではありませんが、気密性の高い高性能住宅を目指す場合には導入されるケースもあります。
ペーパーバリア自体が「気密性を高めるための専用資材」というよりは、気密・防湿を補完するための素材の一種と理解すると良いでしょう。
ペーパーバリアは追加するべきか?
結論から言うと、防湿シート付きグラスウールが適切に施工されていれば、基本的にはペーパーバリアを新たに追加する必要はありません。ただし、住宅の気密性能を数値化した「C値(相当隙間面積)」にこだわり、より高い性能を求める場合は、ペーパーバリアなどを追加して気密性を徹底的に追求することがあります。
特に、次世代省エネ基準をクリアするZEH住宅や、パッシブハウスレベルの住宅を目指す場合には、複層的な気密層の設計が検討されることもあります。
施工精度と気密測定の重要性
いくら高性能な資材を用いても、施工精度が低ければ気密性は確保できません。気密性を本当に高めたい場合は、以下の2点が重要です。
- 断熱材・気密層の隙間や継ぎ目の丁寧な施工
- 気密測定(C値測定)による数値の確認
これらを通じて、単に材料任せではなく、実際の気密性を「見える化」して、住宅の性能を正確に把握することが可能になります。
まとめ
注文住宅で気密性を高めたい場合、すでに防湿シート付きのグラスウールが標準仕様として使われていれば、基本的にはペーパーバリアの追加は不要です。ただし、より高性能な住宅を目指すのであれば、気密シートの追加やペーパーバリアの検討も視野に入れる価値はあります。
最も重要なのは資材そのものよりも施工精度と、気密測定などによる性能確認です。設計段階でしっかりと工務店や設計士と相談し、納得のいく仕様に整えることが、快適で長寿命な住まいづくりにつながります。
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