築35年の屋根葺き替え時の注意点と防水シート交換の考え方

築35年の住宅において屋根の葺き替えを考える際、現行スレート瓦の耐久性が限界に達している場合、葺き替えやカバー工法が有効な選択肢です。しかし、実際に葺き替えを行う場合、屋根板や防水シートの交換については疑問が多く、適切な方法を選ぶことが重要です。

1. 屋根葺き替えの基本とカバー工法の違い

屋根の葺き替えとは、既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材を施工する方法です。一方で、カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて取り付ける工法で、撤去作業が不要なため、費用や工期を抑えることができます。

どちらを選択するかは、屋根の状態や予算、目的に応じて判断する必要があります。

現行スレート瓦をアスベストなしの同等品に葺き替える場合、まず最初に行うべきは、既存の防水シートの交換です。防水シートは、屋根の防水性能を担保する重要な部分であり、経年劣化が進んでいる可能性があります。

防水シートを新たに交換することで、雨漏りのリスクを減少させることができます。しかし、防水シートの下にある屋根板（または下地板）の状態も重要です。

一般的に、屋根葺き替えの際には屋根板を交換する必要はありません。多くの場合、屋根板はそのまま使用し、防水シートの交換や新しい屋根材の設置が行われます。

ただし、屋根板の状態が著しく劣化している場合は、部分的な交換や補強が必要になることもあります。そうした場合には、12mm前後の板を追加で貼り付けて強度を確保することがあります。これは屋根材の重さや構造に応じて、必要な措置として検討されます。

実際の工事では、屋根板を撤去することなく新しい防水シートを設置する場合が多いです。現場の状態を確認し、必要に応じて補強を加えることが一般的です。

また、屋根板の撤去を避ける理由としては、作業の手間とコストがかかることが挙げられます。既存の屋根板を利用することで、施工期間の短縮やコスト削減を実現できます。

築35年の屋根を葺き替える際には、防水シートの交換が最も重要です。また、屋根板の状態に応じて追加貼り付けを行うことが多いですが、交換は必要ない場合がほとんどです。

屋根葺き替えを行う前に、屋根の状態をしっかりと確認し、適切な方法を選択することが大切です。工事の際は、信頼できる専門業者に相談し、最適な方法を選びましょう。