マンションの購入を検討する際、パンフレットや販売資料に記載されている「面積」には、内法面積や壁芯面積といった異なる計算方法があります。これらの面積の差がどのように生まれるのか、そしてなぜ壁芯面積が使われることが多いのかについて詳しく解説します。
1. 内法面積と壁芯面積の違いとは?
マンションの面積表示には主に「内法面積」と「壁芯面積」が使われますが、この2つの違いはどこにあるのでしょうか?
- 内法面積(うちほうめんせき):室内の壁の内側の寸法を基にした面積で、壁を含まず、実際に使用できるスペースを示します。
通常、内法面積は居住空間に焦点を当てており、生活に実際に使える面積に近いといえるでしょう。 - 壁芯面積(へきしんめんせき):壁の中心から中心を測った面積です。壁の厚さを含めるため、内法面積よりも広く計算されます。
この違いは、マンション購入者にとって重要な意味を持ちます。内法面積は実際に生活するスペースを示しているため、居住空間の広さを把握するためには内法面積が基本となります。しかし、壁芯面積は一般的に販売資料に記載され、これがより広く見えるため、販売側の商戦略として利用されることもあります。
2. なぜ壁芯面積が使われることが多いのか?
マンションの販売資料に記載される面積が壁芯面積である理由は、主に商業的な理由が背景にあります。
- 広く見せるため:壁芯面積を使うことで、同じ部屋でも面積が大きく見えるため、より魅力的に映ります。このため、販売資料では壁芯面積が使用されることが多いのです。
- 業界標準としての慣習:不動産業界では、壁芯面積が慣習的に使用されることが多く、これを基準として売買されることが一般的です。そのため、消費者が見る資料にも壁芯面積が記載されることが多いです。
ただし、壁芯面積を基にした情報だけで判断するのは誤解を招く可能性があります。特に、実際に生活するスペースの広さを知りたい場合は、内法面積に注目する必要があります。
3. どちらの面積を重視すべきか?
マンション購入時に最も重要なのは「実際にどれだけの居住スペースが確保されているか」です。そのため、実際に生活に使える面積を重視することが大切です。以下のポイントを参考にしてみてください。
- 内法面積を重視する:購入後にどれだけ快適に過ごせるかを考えると、内法面積が最も実用的です。特に、収納スペースや部屋の広さを考慮する際には内法面積がより具体的な指標になります。
- 壁芯面積で比較する:もし、マンションをいくつかの物件と比較している場合、壁芯面積がよく使われるため、広さの差を確認するためには壁芯面積を見て比較するのがよいでしょう。
最終的には、自分の生活スタイルに合ったスペースの広さを理解することが、最も重要です。内法面積と壁芯面積の違いを把握した上で、比較してみてください。
4. 壁芯面積と内法面積の理解が不安な場合の対処法
壁芯面積や内法面積の理解が不安な場合、販売業者に確認をとることが重要です。具体的には、以下のように質問することをお勧めします。
- 実際の内法面積はどのくらいか?
- パンフレットに記載されている面積は壁芯面積か内法面積か?
- 壁の厚みや共用部分を含めた計算方法について詳しく教えてもらう。
また、契約前に実際に物件を訪れ、内法面積を自分の目で確認することも良い方法です。
5. まとめ:正確な面積理解が大切
マンションの面積表示には「内法面積」と「壁芯面積」がありますが、これらの違いを理解しておくことが大切です。壁芯面積は広く見えることが多いため、実際に生活する空間を正確に把握するためには内法面積を重視することが重要です。
購入前には、販売資料だけでなく、実際にどれだけの居住スペースが確保されているかを慎重に確認し、納得のいく選択をすることが賢明です。
コメント