不動産業界で物件をレインズ(不動産情報ネットワーク)に登録する際、「専任」と「貸主」との違いが問題になることがあります。特に、小さな不動産屋では、社内方針や実務上の判断として、専任で登録するよう指示されることが多いですが、貸主として登録することにどんな不都合があるのか疑問に思う方もいるでしょう。この記事では、専任と貸主登録の違いについて詳しく解説します。
1. レインズに物件を登録する方法:専任 vs 貸主
まず、レインズに物件を登録する方法として、「専任媒介契約」と「貸主登録」の二つがあります。専任契約とは、不動産業者が物件を独占的に取り扱い、取引先や仲介者を一元化する形です。一方、貸主登録は、物件のオーナーが直接自分で物件を貸し出す形で、不動産業者がその取引をサポートします。
それぞれにメリットやデメリットがありますが、社長から「専任で登録するように」と指示された場合、その理由を理解しておくことが大切です。
2. 専任で物件を登録するメリット
専任契約で物件をレインズに登録する場合、物件を扱う不動産業者はその物件に関して独占的に仲介業務を行います。これにより、以下のようなメリットがあります。
- 情報の統一性:物件情報が一元管理されるため、情報の重複や誤情報が発生しにくくなります。
- 仲介業者の責任:専任契約を結ぶことで、仲介業者は物件を成約させるために最大限努力する義務を負うため、成約率が高くなる可能性があります。
- 信頼感:専任契約を結ぶことで、貸主にとっても信頼感が増し、長期的な関係を築きやすくなります。
3. 貸主登録で起こり得る不都合な点
一方、貸主登録には以下のような不都合が考えられます。
- 情報の管理が分散:貸主が複数の業者とやり取りをすることになり、情報の更新が遅れる可能性や、異なる業者間での情報の不一致が発生するリスクがあります。
- 不動産業者の積極性が欠ける:貸主登録の場合、不動産業者には契約を成立させるための強い動機付けがないため、他の専任契約物件に比べて積極的な営業活動が少なくなることがあります。
- 競争が激化:複数の業者が同じ物件を取り扱うことで、仲介業者間で競争が激化し、物件の成約が遅れる可能性があります。
4. どちらを選ぶべきか:専任 vs 貸主登録
専任契約と貸主登録、どちらを選ぶべきかは物件の状況や不動産業者の方針に依存します。小規模な不動産屋にとって、専任での登録は効率的で安定した管理ができるため、おすすめされることが多いです。
しかし、貸主登録にも利点がある場合があります。例えば、貸主が自ら物件の貸し出しに積極的に関与する場合や、特定の不動産業者に頼らずに複数の業者に依頼したい場合です。ただし、この場合でも不動産業者の管理体制やサポート体制が重要となります。
5. まとめ
レインズに物件を登録する際の「専任」と「貸主」の違いについて、今回はそのメリットとデメリットを詳しく解説しました。専任契約は物件情報の一元化と業者の積極的な営業活動を促進するため、安定した管理が可能となります。一方、貸主登録は管理が分散しやすく、業者の営業活動も限られるため、注意が必要です。
物件の管理体制や業者との関係をしっかりと考慮したうえで、どちらの方法が適切か判断しましょう。
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