新築物件の表示ルールとは?完成後1年以上経っても「新築」と表示できる理由

新築一戸建て

不動産広告を見ていて、「完成してから1年以上経過しているのに新築と表示されている」と疑問に思うことがあるかもしれません。また、完成時期が実際と異なる記載がされているケースも気になるところです。本記事では、不動産業界の「新築」表示のルールや、完成時期の表記について解説します。

1. 新築物件の定義とは?

不動産業界では、一定の条件を満たせば完成後1年以上経過していても「新築」と表示することが可能です。これは、不動産広告のルールを定める「不動産の表示に関する公正競争規約(不動産公正取引協議会連合会)」によるものです。

規約では、「新築」と表記できるのは以下の条件を満たす物件に限られます。

  • 完成後1年以内の物件であること
  • 未入居であること

つまり、物件が完成してから1年以上経過してしまうと、新築として広告することはできません。しかし、1年以内であれば「新築」と表記できます。

2. 完成時期の表記が異なるのは問題ないのか?

不動産広告における物件の完成時期は、実際の建築確認済証や登記情報に基づいて記載することが原則です。しかし、広告を作成する際に以下のような理由で表記がずれることがあります。

  • 広告作成時の誤記や入力ミス
  • 物件が未完成時点で広告を作成し、その後更新されていない
  • 売主側の意図的な変更(市場の動向を見て掲載情報を調整)

もし完成時期の表記が明らかに実際と異なる場合、消費者を誤解させる可能性があるため、不動産公正取引協議会などに相談することもできます。

3. 新築物件が1年以上売れ残る理由と価格の変動

新築物件が1年以上売れ残ることは珍しくありません。その理由として以下が考えられます。

  • 立地や周辺環境の影響(駅から遠い、商業施設が少ないなど)
  • 価格設定が高めだったために買い手がつかなかった
  • 売主の戦略として価格を維持しながら販売を継続している

一般的に、1年以上経過した新築物件は「新築」ではなく「築浅物件」として販売され、価格が下がる傾向があります。今回のケースのように、当初より400万円程度価格が下がっているのも、買い手を増やすための調整の一環と言えるでしょう。

4. 新築物件を購入する際の注意点

新築物件を購入する際には、以下の点に注意しましょう。

4-1. 広告の情報を鵜呑みにしない

広告に記載されている情報と実際の物件情報が異なる場合があります。特に、「新築」と表示されている場合でも、実際には築1年に近い可能性もあるため、建築確認証や登記情報を確認しましょう。

4-2. 価格の推移をチェックする

1年以上売れ残っている物件は、今後さらに値下げされる可能性があります。価格交渉をすることで、より良い条件で購入できる場合もあるため、不動産業者と相談してみるのも良いでしょう。

4-3. 建物の劣化状況を確認する

未入居であっても、建物が完成してから長期間放置されている場合、設備の劣化や傷みが発生している可能性があります。内見時には、壁や床、給排水設備などの状態をしっかりチェックしましょう。

5. まとめ

新築物件の表示ルールでは、「完成後1年以内かつ未入居であれば新築と表示可能」と定められています。そのため、完成してからある程度時間が経っていても、条件を満たせば「新築」と記載されることがあります。

ただし、完成時期の表記が実際と異なる場合は、誤記や意図的な調整の可能性があるため、気になる場合は販売業者に確認するのが良いでしょう。

また、価格が下がっている場合は、さらなる値引き交渉ができるかもしれません。購入を検討する際は、物件の状態や市場の動向をしっかりチェックし、納得のいく取引を心掛けましょう。

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