賃貸物件を退去する際、思ったよりも高額な退去費用を請求されることがあります。特に、原状回復費用が予想以上にかかる場合、どう対処すればよいのか悩むこともあるでしょう。
本記事では、退去費用が高額になった場合の対処法や、退去時の立ち会いのポイントについて解説します。
退去費用が高額になる理由とは?
退去時に請求される費用の主な内訳には、以下のようなものがあります。
1. 原状回復費用
- 通常の使用による経年劣化は借主の負担ではない
- 壁紙の汚れやフローリングの傷などが対象になることが多い
2. クリーニング費用
- 賃貸契約によっては、退去時にハウスクリーニング費用を負担する必要がある
- 特にペットを飼っていた場合や喫煙者の場合、費用が高くなることがある
3. 設備の修理費用
- エアコンやキッチン設備などの故障・破損による修理費
- 故意または過失による損傷は借主負担になる
退去費用が高額で払えない場合の対処法
退去費用が予想よりも高額になってしまった場合、以下の方法を検討しましょう。
1. 火災保険を利用する
火災保険には、借家人賠償責任保険や個人賠償責任保険が含まれていることが多く、設備の修理費用をカバーできる場合があります。契約内容を確認し、適用可能かどうか保険会社に相談しましょう。
2. 貸主や管理会社と交渉する
退去費用の請求額が妥当かどうかを確認し、不明点があれば管理会社に問い合わせましょう。過剰請求の可能性もあるため、国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』を参考に、減額交渉を行うのも一つの手です。
3. 分割払いの相談をする
一括で支払うのが難しい場合、分割払いが可能かどうかを管理会社に相談してみましょう。状況によっては、柔軟に対応してもらえることもあります。
4. 退去前に自分で修繕・清掃する
ハウスクリーニング業者に依頼する前に、自分でできる範囲の清掃や修繕を行うことで、費用を抑えることができます。
- 壁の汚れは中性洗剤やメラミンスポンジで落とす
- 小さな穴や傷は補修キットを使って目立たなくする
- 水回りのカビや汚れは市販の洗剤で徹底的に掃除する
退去立ち会い時のポイント
退去立ち会いは、管理会社や大家と一緒に物件の状態を確認する重要な場面です。以下の点に注意しましょう。
1. 立ち会いには第三者を同席させる
退去費用の請求トラブルを防ぐため、上司や知人、または専門家(不動産関係者や弁護士)を同席させると安心です。
2. 事前に写真を撮っておく
退去前に室内の状態を写真に記録しておくことで、後から不当な請求をされた場合の証拠になります。
3. 契約書を持参する
原状回復の範囲は契約書に明記されていることが多いため、立ち会い時に契約書を確認しながら話を進めると、無駄な請求を防ぐことができます。
まとめ
退去費用が高額で支払いが難しい場合、火災保険の適用や管理会社との交渉、分割払いの相談などの対策が考えられます。
- 火災保険を確認し、適用できるか調べる
- 貸主や管理会社と交渉し、請求額が妥当かチェックする
- 退去前に自分で清掃や修繕を行い、費用を抑える
- 退去立ち会い時には、第三者を同席させる
- 写真を撮り、契約書を持参して交渉の準備をする
不安を減らし、スムーズに退去手続きを進めるために、できることから準備していきましょう。
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