賃貸契約の初期費用が契約直前になって増額されるケースは、決して珍しいものではありません。特に、概算費用と本契約時の金額が大きく異なる場合、契約者としてどう対応すべきかを知っておくことが重要です。本記事では、賃貸契約時の初期費用の変更トラブルに対する適切な対処法と、交渉のポイントについて解説します。
なぜ初期費用が変わるのか?
初期費用が契約直前になって変更される理由には、以下のようなものがあります。
- 不動産会社の計算ミス:単純な人的ミスで計算が誤っていた可能性。
- 特定の費用が反映されていなかった:敷金、礼金、保証料、火災保険料などが見積もりに入っていなかったケース。
- 故意の後出し請求:契約を結ぶ直前に「仕方ない」と思わせて追加費用を請求する手法。
本契約前ならキャンセルできる?
本契約前であれば、基本的には契約をキャンセルすることが可能です。サインした書類が「本契約」ではなく、申込書や仮契約書であれば、法的拘束力は弱いため、契約前の段階であれば解約しても違約金は発生しないことが一般的です。
ただし、申込金を支払っている場合は注意が必要です。法律上、申込金は「契約成立前なら返還が可能」とされることが多いため、不動産会社に返還を求めることができます。
増額された初期費用を減額交渉する方法
1. 契約時の金額を証拠として提示する
サインをした際の見積書や契約時のメールのやり取りを保管しておき、不動産会社に「当初の説明と異なる」ことを伝えましょう。
2. 増額の根拠を具体的に聞く
追加された費用の詳細をリスト化し、何が増額されているのかを確認しましょう。特に、「計算ミス」と言われた場合、その根拠を明確に説明してもらうことが重要です。
3. 交渉して減額を試みる
以下のように交渉すると、減額の可能性があります。
- 「当初の見積もりで契約を決めたため、この金額で進められませんか?」
- 「他の物件とも比較して検討中なので、費用が変わるならキャンセルを考えます。」
- 「契約前の費用変更は不当ではないですか?」
4. 不動産会社の上層部や管理会社に相談
担当者の対応に不満がある場合、上司や管理会社に直接相談するのも有効です。不動産会社が管理している物件であれば、管理会社の判断で対応が変わることもあります。
法的対応も視野に
もし不動産会社が強引に支払いを求めてきた場合、以下の対応を検討しましょう。
- 国民生活センターに相談:契約トラブルに関する相談を無料で受け付けています。
- 消費者センターに報告:悪質な不動産会社であれば、消費者庁や消費者センターに相談するのも一つの手段。
- 弁護士への相談:費用が大きい場合、弁護士に相談することで法的な対応が可能になります。
まとめ
賃貸契約の初期費用が契約直前で変更されるトラブルは珍しくありません。しかし、本契約前であればキャンセルは可能であり、交渉次第では減額も期待できます。焦らずに、不動産会社としっかり交渉し、納得できない場合は契約を見直すことも検討しましょう。
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