新築戸建てを選ぶ際に、耐震等級1+ミライエの家と、耐震等級2や3の家のどちらが良いか迷う方は多いでしょう。本記事では、耐震等級と制震装置「ミライエ」の関係を解説し、それぞれのメリット・デメリットを比較します。
耐震等級とは?
耐震等級は、建物の耐震性能を示す指標で、日本の建築基準法に基づいて3つの等級に分けられます。
耐震等級 | 基準 | 特徴 |
---|---|---|
等級1 | 建築基準法の最低基準 | 震度6~7の地震で倒壊しないレベル |
等級2 | 等級1の1.25倍の強度 | 避難所などにも使われる基準 |
等級3 | 等級1の1.5倍の強度 | 消防署や警察署並みの耐震性能 |
「ミライエ」とは?耐震との関係
ミライエは住友ゴムが開発した制震ダンパーで、地震の揺れを最大95%軽減する効果があります。建物の柱や壁の内部に設置し、地震の際にゴムダンパーが揺れを吸収することで建物の損傷を抑え、繰り返しの地震にも強い特徴を持っています。
ただし、ミライエは「耐震性を高めるものではなく、制震のための設備」である点に注意が必要です。耐震等級1の家にミライエを設置しても、耐震等級が上がるわけではありません。
耐震等級1+ミライエのメリット・デメリット
メリット
- 初期費用を抑えられる(耐震等級2・3の家よりコストが低い)
- 地震の揺れを軽減できる(建物の損傷を防ぐ)
- 繰り返しの地震に強い(余震などでの劣化を防ぐ)
デメリット
- 耐震等級1のため、建物自体の強度は最低基準
- ミライエがあっても倒壊を完全に防げるわけではない
- 地震保険の割引が受けられない(等級2以上なら割引あり)
耐震等級2・3のメリット・デメリット
メリット
- 地震による倒壊リスクが低い
- 住宅ローン控除や地震保険の割引が受けられる
- 長期優良住宅の認定が可能(税制優遇あり)
デメリット
- 建築コストが高くなる
- 間取りの自由度がやや下がる
どちらを選ぶべき?
結論として、次の基準で選ぶのがオススメです。
- コストを抑えつつ地震対策をしたい → 「耐震等級1+ミライエ」
- より高い耐震性能を求める → 「耐震等級2・3」
また、「耐震等級2や3+ミライエ」の組み合わせが最も理想的です。
まとめ
「耐震等級1+ミライエ」は、地震時の揺れを軽減し建物の損傷を抑える効果がありますが、耐震等級そのものは最低基準のままです。
より強固な耐震性能を求める場合は、耐震等級2・3の住宅を選ぶ方が安心ですが、コストとのバランスを考えることが重要です。
「耐震等級2・3+ミライエ」が最も安全な選択肢となるため、予算が許すなら検討する価値があるでしょう。
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