親からの資金援助を受けて住宅や土地を購入する場合、贈与税がかからない方法を検討することが重要です。特に夫と妻、それぞれの親から贈与を受けるケースでは、適切な名義分けをすることで非課税措置を活用できる可能性があります。本記事では、住宅取得資金の贈与に関する非課税制度や注意点について解説します。
住宅取得資金の贈与に適用できる非課税制度とは?
住宅取得のために親から資金援助を受ける際、一定の条件を満たせば「住宅取得等資金の贈与税非課税制度」が適用され、贈与税がかからない場合があります。
- 適用要件
- 受贈者(贈与を受ける人)が20歳以上である(2022年以降は18歳以上)。
- 所得金額が2,000万円以下であること。
- 住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下であること。
- 取得した住宅に自ら居住すること。
- 非課税枠
- 省エネ住宅などの要件を満たす場合:最大1,000万円まで。
- 一般住宅の場合:最大500万円まで。
この非課税制度を利用すれば、一定額までの贈与は税金がかからずに済みます。
夫婦で別々の親から贈与を受ける場合の名義について
今回のケースでは、夫の親から1,000万円、妻の親から1,000万円の贈与を受け、それぞれの名義で住宅と土地を購入する予定です。この場合、贈与税がかからないためには、以下の点に注意する必要があります。
- 贈与を受けた人の名義で購入する
- 夫が受けた1,000万円 → 夫名義の不動産に充当。
- 妻が受けた1,000万円 → 妻名義の不動産に充当。
- 共同名義の持分割合を適切に設定する
- 夫婦で共同購入する場合、それぞれが出した資金の割合に応じた持分を設定する。
- 例えば、夫が1,000万円、妻が1,000万円出した場合、持分は50%ずつにする。
- 登記上の名義と資金の出所を一致させる
- 仮に夫名義で全額登記した場合、妻が負担した1,000万円分が贈与とみなされる可能性があるため注意。
このように、それぞれの親から贈与を受けた資金を、受贈者の名義で確実に登記することが重要です。
贈与税を回避するための具体的な手続き
贈与税の非課税措置を利用する場合、以下の手続きを適切に行うことが求められます。
- 贈与契約書の作成
- 贈与が一方的な意思によるものであることを明確にするため、親と子の間で契約書を作成する。
- 資金の振込記録を残す
- 親からの資金が銀行振込で行われたことを証明できるようにしておく。
- 確定申告を行う
- 贈与税の非課税措置を受けるためには、贈与を受けた翌年の確定申告期間内に申告が必要。
このように、適切な手続きを行うことで、非課税の範囲内で贈与を受けることが可能になります。
まとめ:正しい名義と手続きで贈与税を回避
夫婦それぞれが別々の親から住宅資金の贈与を受ける場合、適切な名義分けと手続きを行えば、非課税措置を利用できます。
- 夫の親からの資金は夫名義の不動産へ、妻の親からの資金は妻名義の不動産へ。
- 共同購入の場合、資金の割合に応じた持分を設定する。
- 贈与契約書の作成や確定申告などの手続きを忘れずに行う。
これらのポイントを押さえ、税負担を最小限に抑えながら、スムーズに住宅購入を進めましょう。
コメント