賃貸契約を結んだ後に、重要事項説明書の内容に誤りがあったことが判明した場合、契約キャンセルや初期費用の返金が可能なのでしょうか?今回は、契約の法的側面や対応策について解説します。
重要事項説明書とは?
重要事項説明書は、宅地建物取引業法に基づき、契約前に不動産会社が借主に説明しなければならない書類です。物件の構造や契約条件、注意点などが記載されており、これに誤記がある場合は契約解除が可能になるケースもあります。
契約キャンセルの可能性
重要事項説明書に誤りがあった場合、以下の条件を満たせば契約のキャンセルが可能となる可能性があります。
契約解除が認められる条件
- 説明された内容と実際の物件情報が大きく異なる(今回のように間取りの相違など)
- 誤記が借主に重大な不利益をもたらす
- 貸主や仲介業者が誤記を認識していた、または過失がある
- 借主が正しい情報を知っていれば契約しなかった可能性が高い
このような条件が揃えば、「錯誤無効(契約内容の誤認)」または「債務不履行(契約義務の不履行)」を理由に、契約解除を求めることが可能です。
初期費用の返金は可能か?
契約解除が成立した場合、支払った初期費用(敷金、礼金、仲介手数料など)の返還を求めることができます。特に、誤記が原因で契約を結んだ場合は、不動産会社や貸主側に責任があるため、全額返金を要求できる可能性が高いです。
返金を求める際のポイント
- 重要事項説明書のコピーを手元に保管しておく
- 間取りの誤りについて不動産会社とのやり取りを記録する
- 交渉は書面で行い、証拠を残す
- 弁護士や消費生活センターに相談する
弁護士に相談するべきケース
もし不動産会社が契約解除や返金に応じない場合、弁護士に相談するのも一つの手段です。法的に契約無効を主張し、調停や訴訟を視野に入れることで、より有利な交渉が可能となります。
まとめ
重要事項説明書の誤記によって契約内容が大きく異なる場合、契約のキャンセルや初期費用の返還を求めることが可能です。まずは不動産会社と交渉し、対応が不十分であれば弁護士や消費者相談窓口に相談することをおすすめします。
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