注文住宅の気密測定(C値測定)における加圧法と減圧法の違いとその注意点

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注文住宅の気密測定(C値測定)は、住宅の気密性能を確認するための重要なプロセスです。この測定において、「加圧法」と「減圧法」という2つの方法がありますが、どちらを使用するかによって結果が異なることがあります。特に、「加圧法」と記載されている場合、減圧法が一般的だと聞いたことがある方にとっては不安になることもあります。今回は、加圧法と減圧法の違いや、その測定結果について考え、気密測定に関する疑問を解消していきましょう。

加圧法と減圧法の違いとは?

気密測定には「加圧法」と「減圧法」がありますが、どちらも気密性能を測定するために用いられます。基本的に、測定する原理は同じで、住宅内の気圧を変化させ、外気との差で発生する空気の流れを計測します。ただし、その方法に違いがあります。

「加圧法」では、住宅内に一定の圧力を加えて、空気の流れを測定します。一方、「減圧法」は住宅内の圧力を下げ、その圧力差で空気の漏れを測定する方法です。一般的には、減圧法の方が正確に計測されることが多いため、JIS基準でも推奨されています。

加圧法でのC値測定の問題点

加圧法を用いたC値測定では、圧力がかかっている状態で測定が行われます。この場合、測定の際に気密性が高い部分が正確に計測されにくくなる可能性があります。特に、隙間が小さくて目視で確認できないような場所では、圧力の影響を受けやすいことがあります。

そのため、加圧法のみで測定を行う場合、気密性能が高く見積もられることがあるのです。しかし、問題がないわけではありません。加圧法での測定結果に疑問が生じる場合、減圧法で再度測定を行うことが推奨されます。

C値のばらつきとは?測定結果にどう向き合うか

質問の中で「n値」が1.58、1.16、1.42といった数値でばらつきがあったとのことですが、気密測定において若干のばらつきが出ることはよくあります。C値の測定結果に多少のばらつきがある場合、これは通常の範囲内ともいえます。

気密測定のばらつきは、測定機器の精度や測定環境による影響、さらには測定時の建物の状態(開閉している窓やドア、エアコンの使用など)などが原因です。そのため、同じ住宅内で複数回測定を行った場合、数値に差が生じることは珍しくありません。

気密測定の数値を基にした建物の改善方法

気密性を改善したい場合、C値が高いほど隙間が多く、改善の余地があることを意味します。具体的には、建物の隙間を塞ぐための施工を行うことが有効です。例えば、窓枠やドア周りのシールの強化、配管の隙間を埋めるなどの作業があります。

一方、C値が低くても、細かい隙間をなくしてさらに改善したい場合は、住宅の建築に関する専門家に相談することが大切です。気密性の向上は、住宅の快適性や省エネルギー効果にも繋がるため、意識して改善する価値があります。

まとめ:加圧法と減圧法の違いとC値測定結果の捉え方

加圧法と減圧法にはそれぞれ特徴があり、気密測定の結果に影響を与えることがあります。加圧法のみで測定されたC値に不安を感じる場合は、減圧法で再測定を依頼することが効果的です。また、C値に多少のばらつきがあった場合でも、焦らずにその原因を分析し、適切な対策を取ることが大切です。

気密測定は住宅の品質を確認するための重要な工程であり、測定結果を正しく理解し、必要に応じて改善策を講じることが、より快適で省エネな住環境を実現するために役立ちます。

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