宅建業法違反と土地分割売却の注意点:なぜ違反となり、買取価格が低くなるのかを解説

不動産

土地の売却を検討する際、特に複数の区画に分割して売る場合には、宅建業法による規制が関わることがあります。一般の個人でも、条件によっては宅建業法違反になることがあるため、法律に対する理解が欠かせません。この記事では、なぜ土地の分割売却が宅建業法に触れる可能性があるのか、また業者が相場の7割程度で買取を提示する理由について解説します。

宅建業法とは?土地売却と宅建業の関係

宅建業法は、不動産の売買や賃貸を規制する法律であり、消費者保護と不動産取引の健全な発展を目的としています。個人が土地を分割して売却する際も、場合によっては宅建業に該当するとみなされ、宅建業の免許が必要になる場合があります。

例えば、自己所有の土地を複数区画に分けて売却し、それを反復・継続的に行う場合は、宅建業法に基づき宅建業の免許が求められることが一般的です 。これを無許可で行うと宅建業法違反にあたり、法的な罰則を受ける可能性があります 。

なぜ二分割売却で宅建業違反になるのか?

土地の二分割売却が宅建業違反とみなされる理由は、その売却方法が「反復性・継続性」を伴うと判断される場合があるからです 。個人であっても、分割した区画を短期間に売却すると、宅建業としての業務と見なされることがあります 。

宅建業法では、無許可での反復的な取引は禁じられており、個人が例外的に行う場合であっても注意が必要です 。宅建業免許を持つ業者を介することで、無免許営業となるリスクを回避できると考えられますが、宅建業者が無免許で宅地建物取引業を営む者に対し、その行為を認識しながら媒介などの関与を行った場合、宅地建物取引業法に基づき行政処分の対象となる可能性があり 、さらに刑法上の幇助罪に問われる可能性もあります 。そのため、業者に依頼すれば完全にリスクがなくなるとは言えません。

なぜ買取価格が相場の7割程度になるのか

宅建業者が相場より低い価格で買取を提示するのは、分割後の販売リスクや諸費用を考慮しているためです。業者が土地を購入し、それをさらに分割して販売する場合、登記手続きや分割に伴う整地費用、広告宣伝費などの費用がかかります。

また、市場に出してから売却完了までの期間中は、業者にとって在庫リスクも発生します。そのため、業者側が負担するコストやリスクを考慮し、買取価格が相場の7割程度に設定されることが多いのです。

宅建業者を介した売却のメリットとデメリット

宅建業者に売却を依頼することで、無免許営業となるリスクを低減できるだけでなく、迅速な売却が期待できます。特に土地を分割する場合、宅建業者がすべての手続きを代行してくれるため、個人では手間のかかる手続きもスムーズに進められます。

一方で、買取価格が低めに設定される点がデメリットです。高値での売却を目指したい場合は、宅建業免許を取得して自ら販売するか、売却までの期間を考慮して直売の方法も検討する必要があります。

まとめ:土地売却における宅建業法違反のリスクを理解して進める

土地の分割売却にあたり、宅建業法の規制や、業者の買取価格が低くなる理由を理解することは重要です。無許可での反復的な取引が違反になる可能性があるため、リスクを回避するために宅建業者を利用するのが有効な手段の一つです。

ただし、買取価格は市場相場の7割程度になることが多いため、売却方法や価格設定についても検討が必要です。安心して売却を進めるために、法律や市場の仕組みをよく理解した上で判断しましょう。

コメント

  1. 七島賢 より:

    仲介業者を介せば、違法性が無いと、書かれていますが、違法性はあり、次のとおりになるのではないでしょうか。
    無免許者の宅地建物取引に、宅建業者が媒介等により関与することは、宅建業法が目的とする「不動産取引の公正の確保・悪質な不動産業者の排除」を脅かす、無免許営業という犯罪行為を、免許を持つ宅建業者が手助けするということであり、宅建業法においては、宅建業法第一二条第一項の違反行為に不当に関与した等として行政処分の、刑法においては幇助犯(刑法第六二条第一項)として刑事処分の対象となる。

  2. 七島賢 より:

    疑義がありますので、10日前の質問に対するご回答をお願いいたします。

  3. owl より:

    コメントで指摘されている通り、仲介業者を介した場合であっても、無免許者による宅地建物取引には違法性があり得ます。宅地建物取引業法第十二条第一項は、無免許での宅地建物取引業を明確に禁じており、免許を持つ宅建業者が、無免許者が業として行う不動産取引に媒介等の形で関与することは、同法が目的とする不動産取引の公正の確保を脅かす行為と解釈される可能性があります。

    さらに、刑法第六十二条第一項は、正犯の犯罪を幇助した者を従犯として処罰することを定めており、無免許営業という犯罪行為を、免許を持つ宅建業者が認識しながら手助けした場合、刑事責任を問われる可能性も否定できません。最高裁判例 が示すように、無免許者に名義を貸して不動産取引を行わせる行為は、公序良俗に反し無効とされており、これは、免許制度の重要性と、それを潜脱する行為の違法性を強く示唆しています。  

    したがって、コメントでご指摘の通り、無免許者の宅地建物取引に宅建業者が媒介等の形で関与することは、宅地建物取引業法および刑法の両面から問題となる可能性があり、行政処分や刑事処分の対象となることもあり得ると考えられます。

    また、10日前の質問への回答が遅れてしまい申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。速やかに確認し、修正させていただきます。

  4. 七島賢 より:

    返信ありがとうございます。

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