実家の売却手続きと名義が複数ある場合の注意点—介護費用に充てるためにできること

不動産

高齢の親が介護施設に入居し、自宅に戻ることができない場合、実家の売却を検討するケースは少なくありません。特に、介護費用がかさむ場合、実家を売却してその費用に充てることは現実的な選択肢です。しかし、名義が複数ある場合や家族間での意見の相違がある場合、手続きが複雑になることがあります。この記事では、実家の売却手続きや名義が複数ある場合の対応方法、そして売却後の利益の分配方法について解説します。

複数名義の不動産売却とは?

不動産が複数の名義人で所有されている場合、売却には全員の同意が必要です。今回のケースでは、実家の名義が父親と兄夫婦の3名に分かれているため、売却を進めるためには3名全員の同意が求められます。これを「共有不動産」と呼び、各名義人がその不動産の持ち分を持っています。

名義が複数に分かれている場合、売却手続きには名義人全員が参加する必要があるため、兄夫婦が協力しない場合には手続きが進められない可能性があります。このため、まずは兄夫婦と話し合い、売却に同意してもらうことが重要です。

権利書と名義の確認

実家の売却を進める前に、まず権利書や登記簿を確認し、正式な名義人と持ち分割合を明確にする必要があります。今回のケースでは、納税書に父親の名前と他2名の名前が記載されているため、名義が共有されていることは確実です。

権利書が兄夫婦の手元にあるとのことですが、これは売却手続きにおいても重要な書類です。不動産の名義変更や売却時には、この権利書が必要になるため、売却を進める前に兄夫婦から権利書の提供を求める必要があります。

売却手続きと持ち分の分配

売却が成立した場合、売却金額は持ち分に応じて分配されます。例えば、父親が名義の50%、兄夫婦がそれぞれ25%ずつの持ち分を持っている場合、売却金額もその割合で分けられます。この持ち分の割合は登記簿で確認できるため、事前に確認しておくことが重要です。

ただし、名義人の一部が売却に同意しない場合、売却手続きは進めることができません。この場合、名義人の持ち分を買い取るか、法律に基づいて共有持ち分の分割を求める「共有物分割請求」を行うことが可能です。このようなケースでは、専門の弁護士に相談することをお勧めします。

売却金を介護費用に充てるための計画

実家を売却し、その売却金を介護施設の費用に充てることは合理的な選択です。ただし、売却に伴う税金や手数料も考慮に入れる必要があります。不動産を売却すると「譲渡所得税」が発生する可能性があるため、売却後に手元に残る金額をしっかりと計算し、介護費用にどの程度充てられるかを把握しておくことが大切です。

また、売却金の分配に関しても、事前に兄夫婦と合意を得ることが望ましいです。名義人全員が納得する形で分配し、介護費用としてどのように使うかを明確にしておくことで、トラブルを防ぐことができます。

まとめ—名義の確認と家族間の協力が鍵

実家の売却を進めるには、名義の確認と家族間の協力が不可欠です。特に複数名義の場合、全員の同意が必要となるため、事前に話し合いを行い、権利書や登記簿の確認を行っておくことが重要です。売却金を介護費用に充てる際には、税金や手数料を考慮に入れた計画を立て、家族全員が納得できる形で進めていきましょう。

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