空き家の相続放棄で解体費用はどうなる？相続放棄後の手続きと注意点を解説

相続放棄とは？

相続放棄とは、相続人が被相続人の財産（資産と負債）を一切引き継がないことを選択する手続きです。家庭裁判所での手続きを経て正式に放棄することで、相続人としての権利や義務から解放されます。しかし、相続放棄をしたからといって、すべての問題から解放されるわけではありません。

相続放棄と空き家の解体費用の関係

相続放棄をした場合、その相続人は相続財産に対する権利も義務もなくなります。しかし、放棄後の空き家の解体費用が誰の負担になるかという点は法律の解釈や状況によって異なります。一般的に、相続放棄をしても、その家屋が地域の安全や衛生に悪影響を及ぼす場合には行政からの対応が求められることがあります。

国や自治体の対応

相続放棄された空き家は、法的には相続人の所有物ではなくなりますが、国や自治体が直ちに解体を行うわけではありません。通常、解体が必要な場合には、まず次順位の相続人（放棄しなかった親族）に対して処理の要請が行われます。全員が相続放棄をした場合でも、解体費用が自治体負担になるかどうかはケースバイケースです。

空き家問題の対策

空き家が放置されて危険となった場合、自治体が「特定空き家等」に指定することがあります。この指定を受けると、行政代執行として解体や撤去が行われることもありますが、その費用は所有者に請求されることがあります。相続放棄が行われている場合、所有者不明となり費用回収が困難になるケースもあるため、自治体の負担となることがありますが、必ずしも国や自治体が費用を負担してくれるわけではありません。

実際の対応方法

相続放棄を考えている場合は、空き家の現状や今後の処理について早めに自治体と相談することが重要です。また、相続放棄後の空き家が地域に与える影響についても考慮し、場合によっては事前に解体を検討するのも一つの方法です。空き家対策の補助金制度なども活用できる場合があるので、地元の行政窓口に問い合わせてみましょう。

まとめ

相続放棄をしたからといって、空き家の解体費用を一切負担しなくて良いというわけではありません。相続放棄後も、空き家が周囲に影響を及ぼす場合、自治体の対応やその費用負担が課題となります。相続の際には、放棄するかどうかを慎重に検討し、空き家の管理や解体についても早めに対応策を講じることが大切です。